昨年の12月中旬から始めた幕末~開拓の北海道のお話。
長くなってしまった。まだまだ語り足りないことがあります。
また、記事を書くために調べていくうちに、もっと多くの知識を得ることもできました。今回の記事内容は、ほんの一部に過ぎません。
大河ドラマの幕末モノなどでは「開国したらハッピーエンド」のようになりがちですが、実は日本はさらなる困難に直面することになったのでした。
ペリーの箱館来航から170年。
明治政府が、自国の命運を賭けて取り掛かった北海道の開拓は、成功したのか?
そのアンサーとなる景色を見に行きましょう。
シリーズ最後の舞台は、札幌駅です。
これは昨年12月中旬に撮影した画像。現在の札幌駅です。実ににぎやかですね。
北海道の「開国」から170年の北海道の姿を知るには、最適の場所がここにあります。
画面右側のデカイ塔。今や札幌の顔となったJRタワーです。5年後、この奥にもっと高いビルが建ちます。
そしてこのJRタワーには展望台があります。行ってみましょう。
ここからエレベーターに乗り、展望台へ行きます。
エレベーターは直通です。かなり早く、あっという間につきます。
そしてエレベーターのドアが開くと・・・・・・・
展望台へ到着!見えますか?夜景が!!
これが札幌の夜景です。
都市の夜景は、日本各地に素晴らしいスポットがありますが、JRタワーからの夜景は特別です。ここにしかない都市夜景を見ることができるのです。
これです。
そう、碁盤の目になっている!
札幌は、都市計画に基づいて建設されているため、街全体が碁盤の目状に区切られています。そのため、道路に沿って並び立つ街路樹は「線」となり、ビルも四角い格子の中にあるので、とても規則正しく配列しているように見えます。
そして、展望台のあるJRタワーも、その格子の一つに立ち、窓も東西南北を向いているため(正確には正しい方位ではないけども)、そこから見える風景にも電気で縁取られた格子を見ることができるのです。
日本の他の都市では、このように見るのはなかなか難しい。歴史のある町では、区割りには昔の名残がある。城攻めしにくいように、迷路のようになっている町もありますからね。
札幌も、藻岩山などでは、ビルや街頭の電飾が無造作に散らばった、文字通り「宝箱をひっくり返したような」夜景を見ることができますが、JRタワーから見える夜景は、明らかに異なる。
すごいでしょ?
石狩平野を全て碁盤で仕切ってしまったかのような。
同じ都市夜景でも、どこから見るかで、見え方が全く異なる。
札幌は「日本新三大夜景都市」に認定されていますが、見る場所によって見え方が異なるというのも魅力。
しかし、札幌の夜景を唯一無二なものにしているのが、このJRタワーの夜景なのです。
この夜景を見れば、札幌がどのようにして作られたのか、一目瞭然!
これは南の方角。青い観覧車は狸小路。その向こうにススキノがあります。
横に長い白い電飾の建物は、オープンホヤホヤの「ココノススキノ」です。
凄い混んでたよ。
これこれ。
飲食店はあるし、映画館もある。
ススキノは、夜の町だけに、昼から飲めるところは少ないんですよね。しかしここでは昼からお酒もOK!だそうです。
これも南側。どうですか?サイバーパンクな映画に出てきそうな景色ですね。
街灯の淡い黄色が線となって大地を区切り、その区画の中のビルも輝いている。
まるで自分が電子回路の中に入ってしまったかのように思えてしまいます。
ズームアップしてみると、こんな感じなんだけどね。
ちなみにこれが東側。目の前の真っ白な空き地に、5年後くらいに北海道一の高さのビルができます。
ここ数年のうちに、札幌はドンドン変わっていきます。
これは西側ですね。
JR線がわかりますね。
札幌は西にも格子が伸びています。
札幌駅を、真上から。ライトアップの原色がきれいですね。
ちなみに西の方をアップでみると、やってますね。
そう、北海道新幹線が建設されています。
もうすぐ、札幌までやってきます。
明治政府は、一刻も早く日本でも鉄道を建設する必要に迫られていました。
そのため、欧米では主流ながら、建設に時間のかかる広軌レールではなく、広軌よりは簡易に建設できる狭軌レールを採用し、とにかく鉄道網を広げることを優先しました。
その後、満州を勢力圏とすると、大陸の奉天から東京まで、広軌鉄道を敷き設することを計画します。奉天から先には欧州と接続できる。
壮大な構想でしたが、第二次大戦に突入して頓挫。
日本での広軌鉄道の建設は、悲願となっていき、ついに1964年の東海道新幹線開業にいたります。
そして21世紀に至り、ついに札幌まで新幹線が到達しようとしている。
これは現代まで残されていた「北海道開拓」の最後の事業。
新幹線の札幌延伸によって、開国以来続いてきた「北海道の開拓」という国家プロジェクトは、ついに完結します。
西側にはこのようなものもあります。
そう、大倉山ジャンプ台。
札幌にしかない特徴と言えば、200万都市にも関わらず、至近距離に冬季競技場がある、ということもその一つ。個性は大事にしましょう。
続く