意識低い系、日本代表宣言!!

意識の低い人間が、意識の低い情報を、意識を低くしてあなたにお届け!!

鉄道保存事業へのご協力のお願い

 

 今回、お話しする内容は、当ブログの管理人が勝手に行っていることです。

 

 管理人は、お話しに出てくるいかなる個人、団体とも全く繋がりがありません。

 

 上記を念頭に、お読みいただけましたら幸いに思います。

 

 

 

 先日、以下のような記事を目にしました。

 

 

 

 宿の隣に鉄道車両設置を 北海道・網走 施設経営の郡山さん、資金募る:北海道新聞デジタル (hokkaido-np.co.jp)

 

 

 引退した入換動車の保存のためのクラウドファンディングです。

 

 数年前まで、函館では現役だったそうです。

 

 これを動態保存するための函館から網走までの輸送費を、クラウドファンディングで集めている、とのこと。

 

 この記事に対し、まず鉄道ファンとして食いつきました。

 

 その上でこのクラウドファンディングの主催者のかたの説明文を読み、管理人も微力ながら支援させていただきました。

 

 その上で、このクラウドファンディングをご紹介し、皆様にもご協力願えたら、と思った次第です。

 

 

 函館にある入換動車(ディーゼル機関車)を網走に移設し展示したい。(郡山 卓也(旧国鉄保養所 鉄っちゃんと鉄子の宿) 2024/08/29 公開) - クラウドファンディング READYFOR

 

 

 とはいえ、管理人も弱小ながらも経営者です。

 

 怪しげな投資話を無責任にお勧めすることはできません。

 

 管理人は以下の三点で、このクラウドファンディングを応援しようと決めました。

 

 

1,保存場所が「鉄ちゃん鉄子の宿」であること

 

 全国の皆さんは、網走にある「鉄ちゃん鉄子の宿」をご存知でしょうか?

 この宿は素晴らしいです。北海道の鉄道グッズが、非常に高い密度で集結しています。グッズの多さや「鉄道への熱量」では、北海道ナンバーワンと言える。またプラレール専用部屋、Nゲージ部屋もあり、鉄道を楽しむこともできる宿です。

 管理人は実際に泊まったことがあります。その時は横浜から来たという若者と、鉄道の話を延々としていました(爆笑)。 

 とにかく、鉄道に関するモノを保存する、という点で、とても信用できる場所であることはお約束できます。

 

 

2、「動態保存する」ということ

 

 繰り返しますが、管理人も弱小ながらも経営者です。自ずと「維持できるどうか」を考えてしまう。儲かるかどうか、ではないです。トントンか「少し赤字」であれば、大丈夫と。

 この点で、主催者は「動態保存する」と語っています。

 動態保存は人気があります。陸別の運転体験ができる施設は、本州からも訪れる人がいるほどの人気で、予約が一杯だそうです。陸別は何の変哲もない山の中の「田舎」。そんなところまで、鉄道体験をするためにやってくる。

 動態保存には価値があると思います。

 すでにある膨大な鉄道グッズに加えて「鉄道体験」までできるとなれば、この宿は北海道を代表するレールパークとなるでしょう。

 *なお、本当に鉄道の運転体験ができるかどうか、は不明です。単なる「動態保存」かもしれない。それでも価値はあると思う。

 

 

 

3,主催者がすでに身銭を切っている

 

 プロジェクトの説明文を見ると、主催者はすでに、設置するための用地の確保や枕木の調達などを、自腹で行っている。

 これはとても大事な点。まず自らがお金を出しています。

 金だけ引き出して自分は何もしない、なんて怪しげな儲け話が多い中、主催者はすでにお金を支払っている。

 プロジェクトにかける本気度を感じました。

 

 

 

 以上です。

 

 

 ぜひ、プロジェクトを支援してあげてください。

 

 

 

 なお、この記事は管理人が感じたことを書いているので、主催者の方の考えと異なるかもしれませんので、ぜひ、ご自身で確認してから、支援するか否かを決めていただきたい。

 

 また、プロジェクト説明文にもある通り、JR北海道などの団体などに直接、問い合わせするようなことは止めてください。

 

 

 

 

 

 

 

人類、ついに53-53に到達する!(しかもMLBで!)

 

 最近、つくづく実感しているのだけど、管理人の野球観戦の基準は「昭和のプロ野球」がベースになっています。

 

 その基準から見れば、40本塁打だって、決して簡単な数字ではないし、50盗塁も簡単な成績ではない。10勝もすごい。

 

 先発投手で10勝以上と防御率2点台だったら、間違いなくその年のリーグ最高投手となっていました。

 防御率1点台は、抑え投手なら見かけたのだけど、先発投手ではほとんどいなかった。 

 まれにいたんですよ。でも、その年だけ、とか。

 

 だからダルビッシュが5年も連続して15勝以上と防御率1点台の成績を残した時、こりゃバケモンだ!と思ったのです。

 ダルビッシュは間違いなく、日本プロ野球史上、ナンバーワンを争う投手です。

 

 そのダルビッシュを、管理人は12年前に札幌ドームで見ています。

 

 2週連続で水曜日に観戦する機会があったのだけど、運よくどちらもダルビッシュが先発。

 もう異次元だったよ。当然のように2試合連続で完封していたので。

 

 管理人にとってプロ野球の試合を北海道で観戦すること自体が夢のようだったのに、球史に残るレベルの選手を直に肉眼に焼き付けることができた。しかもホームチームの選手として。

 この感覚は、札幌にプロスポーツが当たり前にある時代に育った世代にはわからないと思う。いや、今がいい時代になった、ということなんだけど。

 

 ダルビッシュアメリカに去った後、喪失感が半端なかった。

 

 もう10年間は、あのレベルの選手を見ることができないんだ、って。

 

 ・・・・・ところが神様はもう一度、奇跡を起こしてくれた。

 

 言うまでもなく、大谷翔平のことです。ダルビッシュと入れ替わるように日本ハムに入団してきた。

 

 道民に再び、夢を見せてくれた。

 

 大谷は札幌ドームで、ホームランを放ち、完封し、165キロを投げた。

 

 二刀流を実現してしまった。

 

 そしてアメリカに渡った。

 

 道民はみんな、いずれ大谷がメジャーに行くことを理解していたし、それを止めることはできないとわかっていたはず。

 

 それでも、メジャーでは「フツーに良い選手」として活躍するだろう、と思っていた。打者としては20~30本塁打、投手としては10~13勝くらいは確実に残せるだろう、って。

 ホームのファンから「ショウヘイは良い選手だ」くらいは言われるだろう、って。

 

 それでも「メジャーにたくさんいる強打者の一人になる」以上のことは予測できなかったはず。

 

 それがどうだ。今やアメリカでもとびぬけた存在になりつつある。

 

 53-53を達成した?

 

 しかもメジャーリーグで?

 

 もう、夢なんじゃないか?管理人は落合の「打率.350、本塁打50本」に興奮した世代だよ?

 大体、50本塁打って、なんだよ。あのセリーグで野球をやりつくした松井秀喜以来、そんな数字は見たことないぞ!

 (管理人にとって、カブレラなどの飛ぶボール時代の記録は認めがたい)

 

 そう、これを日本で達成したんじゃないんだよ。アメリカなんだよ!

 

 信じられるか?日本人選手が、アメリカのスポーツ番組で特集されているじゃないか!

 

 ジーターやオルティスペドロ・マルティネス、Aロドリゲスをはじめ、MLBのレジェンドが称賛している。「ついでに」じゃなく、大谷に特別な称賛を送っているんだよ。あのレベルのレジェンドたちから称賛されるとは信じられん。本当に日本人なのか?

 他にもNBANFLなど、アメリカのプロスポーツの大物たちも、大谷の記録に言及。

 アメリカのプロスポーツの大物、ということは、ワールドクラスで大物、ということ。

 

 とにかく、今の大谷がやっているプレーは、今後50年間は見ることができないだろう。

 いや、大谷が限界や偏見を取っ払ってしまった以上、超える選手が出てくるかもしれない。

 

 大谷は最初の壁を突破した!

 

 それにしても大谷って、野球の全てを楽しみつくそうとしていますね。

 

 投手も打者もできて、盗塁もできる選手が今後、続々と現れるのだろうか?

 

 そこではどんな野球が行われるのだろうか?

 

 野球はいまだに進化している。

 

 

 そして、道民は、この選手を直接、目撃できたことに心から感謝しないといけない。

 

 月形で大谷と直接ボールのやり取りをした少年少女は、自慢していい。間違いなく世界レベルのスターと同じ場所にいたのだから。

 

 

 

 

 

2016年クライマックスシリーズでの大谷の姿を載せます。

 

ダルビッシュや大谷のプレーを見ることができただけでも、札幌ドームの建設は成功だったと思う。

 

札幌市の方も、札幌市にプロスポーツがあることの意味を、正確に受け止めてほしい、と思った今日この頃。

 

 

 

 大谷選手に心からの祝福を。そしてこうなれば60-60を達成してくれ!!

 

ついに日本人が、エミー賞を獲得!!!!!!

 

 今の若い人にはわからないとおもうけど、管理人の幼少期の80年~90年代のころ、日本人にとってアメリカは圧倒的に強い国だったんだよね。

 

 強い、というのは、軍事的にはもちろん、あらゆる分野で日本とはかけ離れていた。

 

 エンタメは特にそれを実感させた。

 

 アメリカのドラマは、子供が見ても明らかに日本のドラマとスケールも何もかもが違ったもの。

 

 管理人の親世代なら、「奥様は魔女」と見て、アメリカの優雅さと繁栄度合いを思い知ったのでは?

 

 管理人にとっては、「世界の料理ショー」です。

 

 

 世界の料理ショー「ロールビーフステーキ メキシコ風」 (youtube.com)

 

 

 見てくださいよ、広くて豪華なキッチンを!

 

 広いアイランドキッチンはもちろん、ガス台も豪華。日本の家庭で一般的だったガスレンジではありません。奥には収納たっぷりのスペースがあるし、何よりもオーブン!

 

 当時の日本で、家庭にオーブンなんてなかったのでは?

 

 そこで料理されるのが、分厚い肉料理!

 

 日本では、ステーキとかローストチキンとか、アメリカ流の肉料理は珍しかったからね。ケンタッキーフライドチキンが人気だったのも、アメリカの肉料理を体感できたような気がしたからでは?

 

 この世界の料理ショーに映っている全てのものだけで、日本人は、日本とアメリカとはかなり大きな差があることを実感したものです。

 

 映画に至っては、アメリカの作品はもはや異次元でした。

 

 日本で、寅さんとか「極道の妻たち」が盛んだったころ。子供向けの実写映画なんて、ヒーローものしかなかったのでは?

 

 それに対し、80年代のハリウッドは、スターウォーズをはじめ、インディージョーンズゴーストバスターズ、ET、グーニーズバックトゥーザフューチャーグレムリンシュワちゃん等など、数えきれないくらいの様々な作品が制作されていました。

 もちろんロッキーなどの硬派な作品も。

 どのタイトルも、聞いたことがあるでしょ?その面白さ、迫力、スケールの大きさはもちろん日本映画と比べるべくもないし、最も大きな違いが、そのオリジナリティ。

 

 ゴーストバスターズを最初に広告で見た時、アメリカってすごいなあ、と思ったもんね。それまで幽霊の作品は、ひたすら怖いだけだったのに、アメリカ人は子供の天敵の幽霊やお化けを退治するコメディを作っちゃった。

 

 日本人でこんな面白いことを考えついた人はいるのか?

 

 なお、日本ではアムロ・レイがひたすら悩み、カミーユがおかしくなるのが描かれた時代です。

 

 ほんと、80年代から90年代にかけてのアメリカって、子供が思い浮かぶような妄想を、実際に実現し、しかも面白くしていた。

 当時のハリウッドからは、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような感じで、日本に次から次へとエンタメが流れてきました。

 あのレベルの娯楽作品を、休む間もなく輸入されたら、邦画に大差をつけてしまってもしょうがない。

 

 それにアメリカはドラマも、日本よりもスケールがちがったからね。

 

 日本では倉本聰とか高倉健とか、大人向けの人情ドラマだったり、トレンディドラマばかりが放送されていた時に、管理人は金曜ロードショーで放送されたドラマ「V ビジター」を見て衝撃を受けてしまった。

 

 その後もXファイルとか、ER緊急救命室など、SFから社会派まで幅広いアメリカドラマの幅広さと面白さに圧倒された。プリズンブレイクも、24もLOSTも、ほぼすべてハマっちゃったしね。

 

 今でもアメリカエンタメに対する憧憬の思いはかわらない。というか、テレビ局以外にもネット配信のドラマまである現在では、面白いものがあり過ぎて追いつかない状況。

 

 そこで!その世界のエンタメの真ん中で、日本を題材にした映画が賞を取った!

 

 しかも主演が日本人!!

 

 これは凄いことだよ。

 

 これも若い人にはわからないかもしれないけど、真田広之さんは大人気だったんだよ。

 格好いいし、何よりもそのアクションができてしまう!

 バック転なんて簡単に決めちゃってたし。

 何よりも、子供ごころにも演技が印象的だった。

 

 『太平記』より、直義の死 (youtube.com)

 

 

 これを20代にやってるんだよ。

 

 真田氏は時代ドラマはもちろん、アクション映画やトレンディードラマの主演まで勤め、日本ではキャリアを極めた感があった。

 

 そのBIG真田が、アメリカでは無名の俳優として一人でスタートした、っていうんだから、それも驚いた!日本ではかなり稼いでいたので、付き人を何人も雇えるだろうに。

 

 つーか、日本であれだけ有名でも、やっぱりアメリカじゃ箸にもかからないんだ、と実感せざるを得ませんでした。

 

 あの松田聖子も、ハリウッド版「ゴジラ」(実際はトカゲが走り回る映画)で、一言しかセリフが無かった。日本では主演映画が何本も作られてしまうレベルなのに。

 

 

 その真田広之氏が、アメリカのドラマで最高の評価を得た、というのは、驚き以上のものがある。しかも日本語での演技で。

 

 そう、「時代劇」で賞を取った。

 

 これ、結構、重要な点だと思う。

 

 「ルパン三世」を知ってます?もはや国民的マンガと言えるし、海外でも人気がある。というか、数年前まで海外向けのシリーズが制作されていたし。

 そのルパン三世に、石川五右衛門が出てきますね。

 モンキーパンチさんは、アメリカコミックの影響を受けてルパン三世を執筆したことは有名だけど、連載して数年くらいあとで、アメリカの展示会だか何かのイベントでルパン三世を出展したところ、現地のファンに「なぜ、日本らしさがないのか?日本のものを見たいのに」と言われたので、石川五右衛門を登場させたそうです(詳しい人、あとを頼む)

 

 そう、海外が日本に求めるものは、外国にないもの。

 

 そう考えると、例えば日本語で歌われた「スキヤキ」がヒットしたり、最近ではこれも日本語のBABYMETALが大人気になっている。

 

 逆に、日本人の歌手で、無理して英語で歌ってアメリカデビューしても、成功していないですよね。

 

 グローバル化というと、如何に自国の雰囲気を消して、海外(というか欧米)と同じになるか、が叫ばれるけど、実は逆なんじゃないのか?

 もちろん英語が話せないといけないのはマストとして。

 

 そう考えると、他でもなく時代劇が賞を取ったというのも、わかる気がします。

 

 何のことは無い。日本そのもので勝負すればいいのではないのか?

 

 

 一方で、管理人はハリウッドやアメリカエンタメの幅広さというか、貪欲さにも改めて圧倒された。

 日本の時代劇が大ヒットした、ということは、それを理解しようとする層も大勢いた、ということでしょ?

 アメリカでは面白いものならなんでも楽しみ飲み込んで、自国のエンタメ文化にしてしまおう、という旺盛さを感じたのだけど。

 なんでもそうだけど、突き抜けた面白い作品が登場するには、あるいはとびぬけた天才選手が現れるには、実際に作る人、プレーする人が多いのはもちろん、それを見る人やファンが多いことも大事だと思います。

 アメリカのエンタメが盛んで豊富なのは、それだけ分厚い「ファン層」があることの証左。

 

 

 とにかく、真田広之氏の受賞は、偉大な快挙!

 今回の受賞は、アメリカのエンタメ業界では、毎年選ばれる作品の一つにすぎないでしょう。

 

 しかし日本人から見れば、大きな1歩です。

 

 アメリカの人にはわからないかもしれないけど、アームストロング船長が月に最初に残した1歩くらいな価値がある。

 

 あとはこれに日本人が続くことができるのか?

 

 最大の武器は「和風」ですよ。

 

 本当におめでとうございます!

 

 

追記

 

 管理人が衝撃を受けた、アメリカドラマのメインテーマ

 

 V Main Title & Final Battle Theme (youtube.com)

 

 10年くらい前にアメリカでリバイバルされ、面白かったのに打ち切りに。

 

 お願い、最後までやって!

3つの独立 その2

 

 ではここから、日本の3つの独立を見ていきましょう。

 

 

1,軍事的独立

 

 この点で言えば、日本は9条がある限り、完全に独立できているとはいいがたい。

 また、国内に米軍が駐留しています。これに関して管理人はネガティブには考えていないのだけど。「同盟」ではあるしね。

 とはいえ、世界でも上位に入る規模の軍組織を持っていることにも注目すべき。

 

 また何よりも自国の周囲を海で囲まれている、という、世界の他の国でも希少な地形。

 これは国防の上で、とても有利な点です。

 前回お話ししたように、ロシアは長大な国境線を持っているゆえに、多くの国と「侵攻リスク」を念頭に外交をしなければならない。

 他の国も同様。アメリカなどは、メキシコ国境において、別の形の「国境リスク」にさらされていますが。

 

 日本もミサイルをぶっ放す危険な国があるものの、この点では他の国よりも恵まれていると言えます。

 

 歴史的に見ても、第二次大戦以前に、日本が他国に占領されなかったのも、まさにこの日本列島の地理のおかげ。

 

 とにかく、日本は独自の地理地形と、自衛隊によって、軍事的に独立しています。

 ・・・・・・完全とはいいがたいけど。

 

 

 

2,経済的独立

 

 これまでユーロや中国などの例を見てきました。

 では日本は?

 日本には1億2千万人の人口があり、3500万人の巨大都市・東京があります。

 そして自国内に複数の「世界企業」があり、その本社が東京をはじめ首都圏に集中している。

 これまでの例から見れば、日本は中央集権型の国、と言えます。

 東京のマスコミではよく、「東京の税金を地方にもっていかれる」と言われますが、他国の例を見て考えてほしいと思います。

 何かと批判のある東京一極集中ですが、だからこそ東京を中心にした物流の動きが生まれ、国の一体性が生まれている。

 もし、地方に東京に匹敵する大都市があれば、ドイツなどのように自治権の強い連邦国家になっていた可能性があります。それは分裂傾向をはらんでいるということでもあるのだけど。

 また、自国内に東京という巨大市場を持つことで、これまで見てきた国々よりも、他国の市場の動向に左右されず、経済の独立性ひいては政治の独立性も保たれています。もちろん完全じゃないけど。

 また、東京が日本中の物資を集め、それと引き換えに「円」をバラまくことで、日本国内では円が力を持っている。

 地方へのバラまき、ではなく、これは東京という市場をより巨大なものにするための投資なのではないか?

 北海道新聞によると、十勝で採れたジャガイモが東京に向けて出荷されたそうです。東京でポテトチップになるんだって。より高価な加工品に生まれ変わったわけです。

 でも、このジャガイモをポテトチップに加工するためには、生産地の土地の土壌を改良したり農業施設を整えたり、機械を導入しなければならない。また東京へ輸送するためにも鉄道や船、飛行機が必要。

 これらへの「投資」を行った結果、東京で加工されたポテトチップによってカルビーが儲かる。その結果、法人税が本社のある東京に納められる。

 この税金で、さらに地方に投資をして、より大きな利益を生むようにする。それによって、東京もさらに発展する。

 

 これが日本の目指す「国の形」ではないのでしょうか?

 

 地方への税金の支出を全て「無駄」と判断するのは間違っていると思う。

 東京都知事は、東京にことを考えるべきだけど、総理大臣は国全体を見て、税金を動かしてほしい。 

 

 なお、管理人は、人口減少、高齢化の最大の問題は、人手不足ではなく内需が減少することだと考えています。日本国内の人口が減れば、自国内での物流も弱まり、他国依存が強まるのではないか?

 古代ローマ帝国の滅亡理由を考えてみましょう。蛮族の侵入はもちろんですが、侵入が始まってすぐに滅びたのではなく、2百年くらいは国力を弱めつつも存続した。

 蛮族の侵入とともに、ローマ国内での経済活動、すなわち地方から首都ローマに物資があつまり、首都ローマから地方に通貨をバラまく、という流れが弱まったために、ローマ帝国は一体性を失った。

 ディオクレティアヌス帝は、人口が縮小した首都ローマがすでに帝国の求心力となっていないと判断し、帝国の東西分割統治を始めたものの、それは二つの国を誕生させたことになりました。もし首都ローマに経済力があったのなら、再び統一されたかもしれないが、すでにローマにはそれほどの力はなかったのでした。

 

 日本が経済的に独立を維持するためにも、高齢化や人口減少の問題は、切迫した問題と言えます。そして「経済的独立」を維持するための、立派な「国防」だと思う。

 

 他の点を挙げると、日本では国内で食料を自給できるため(すべてじゃないよ)、この点で他国への依存が小さくすることができる。

 

 国内に1億2千万人の人口を持ち、3500万人の巨大都市を持ち、世界企業を持ち、食料や水も国内で賄える。

 

 大きなリスクは、やはりエネルギーでしょう。

 

 もし、自国内でエネルギーを賄えるようになれば、日本経済はより安定し、経済的独立も強まるでしょう。

 

 

 

 

3,権威の独立

 

 日本で言う「権威」とは、天皇および御皇室を言います。

 

 日本は2000年以上続いている、世界最長の王朝です。

 

 歴史上では、日本における宗教は、天皇を頂とする神道の下に仏教が従う、という形式であったものの、長い年月の間で神道と仏教は同化していき、独特の多神教の文化となっていきました。

 20世紀に入ってから、日本でキリスト教イスラム教が弾圧されましたか?「禁教」になりましたか?

 逆にクリスマスもハロウィンも、除夜の鐘も初もうでもやっているのが日本人。

 

 これでいいじゃないか。

 

 この日本独特の寛容さを守るためにも、天皇が引き続き、続くことが重要なのです。

 また、日本の天皇・御皇室の特筆すべき点は、他国の王室を婚姻を結んでいない、ということ。

 一夫一妻の教えのあるキリスト教は、王朝も短命となりやすかったために他国の王族と政略結婚をせざるを得なかった。これが中世の欧州をどれだけ混乱させたか。

 また、中国王朝をはじめ、他の国でも他国と婚姻関係を結んだ結果、王朝や王権を乗っ取られる、ということも珍しくありません。

 日本で言えば、毛利家の「両川体制」が浮かびますね。安芸の弱小大名だった毛利家の毛利元就は、息子たちを国内の有力豪族であった吉川家、小早川家に養子として送り込み、二人が頭首となったことで毛利家の支配下となって、中国統一を推し進めたのでした。

 

 日本の御皇室は、他国と婚姻がないため、他国に皇位継承者がいない稀有な例となっています。

 

 それがためにここまで、権威の独立を維持できた、と言える。

 

 ローマ教皇が「王権の任命権」によって、欧州各国に介入したことは話しました。

 イスラム教の権威となっていたカリフは、モンゴル帝国に処刑された歴史があります。またその後、オスマントルコの滅亡により、カリフは途絶えます。

 その後、イスラム諸国では宗教指導者が各国で信仰を導いています。

 また、現代でも、ソ連崩壊後にイデオロギーを失ったロシア国民は宗教に支えを求めた(それでオウムが拡大した)。

 そう、人々から信仰が消え去ることはありえません。

 それならば無理に否定しなくてよいのでは?

 20世紀はイデオロギーの世紀となりました。宗教を否定してきたイデオロギーは永遠の存在などではなく、崩壊してしまった。

 ならば現実政治と信仰を両立させればいいのではないか、と。

 どっちに傾いてもいけない。現実政治が強く成ればお隣の共産主義国家のように、権力者が生まれてしまうし、信仰が強く成れば、法ではなく信仰が力を持ってしまう。

 日本の歴史を見ると、権威と権力が両立してきたことがわかります。

 

 今、日本も女系天皇を肯定する論調があります。これは権威の独立に対する重大な危機。

 

 ぜひ、世界の歴史を見てほしい。

 権威の暴走や後継者の乱発が、どれだけ国に混乱と戦争を引き起こしてきたのか。

 

 日本が安定した国であるためにも、権威の混乱となる皇統の分裂を防がなければならないのです。権威は権威だけの存在で、実権を持ってはいけないのです。

 

 これは単なる「男女平等」などという問題ではない!

 

 日本を分裂から守ってきた「権威の独立」がかかった、重大な問題です。

 

 

 

 以上が、管理人が考える「3つの独立」です。

 

 この3つの独立を歴史上、守り通しているのは日本くらいなもの。

 

 

 1億2千万人と3500万人の市場を足場にして、世界の市場を目指す。

 日本のグローバル化とは、この有利を生かすことなのではないでしょうか?

 

 高齢化社会ですが、よくプロ野球も「ファンの高齢化」が問題視されます。

 40代以上が多いって。

 でも、これって管理人の若いころから言われ続けているんですよね。

 つまり「ファンの高齢化問題」が続いている。

 何のことはないです。プロ野球のメインの観戦層が40代以上ということ。

 だからファンの高齢化は気にしなくてもいい。

 

 問題は、運営側の高齢化です。

 20年前の1リーグ統合危機の際、統合に向けて動いたのは、視聴率の低下で悲観に支配された、高齢のオーナーたちです。それを阻止したのが選手たち。

 結果、いくつかの企業が入れ替わり、様々な形で盛り上げたために、今ではパリーグの球団でさえ平日でも2万人が入っています。

 オーナーたちが悲観したころのパリーグは、1試合で1000人もいなかったはず。

 

 悲観しかできなくなったなら、身を引いて、チャンスと考える人に任せるべき。

 

 今の日本は、暗い材料しかないのか?上記のことを「強み」と見るのか?

 

 

 新しい総理大臣には、悲観ではなく、希望を語れる人になってもらいたいと思います。

 

 余談

 

 管理人個人は、エネルギー問題、とくに再エネ問題に注目しています。

 再エネやEV車の推進の人に、いくらいわれても「再エネ賦課金」が徴収され続ける限り、何も響きません。

 再エネも、EV車も、再エネ賦課金なしでも存続できるのなら、賛成します。

 しかし、現状では再エネ賦課金を無理やり徴収して回している。

 太陽光パネルですが、設置するには土地が必要。

 太陽光パネルを設置できる土地を持つパンピーがどれだけいますか?

 土地という資産を大規模にもつ人がパネルを設置するほど、利益になる。

 つまり再エネ賦課金は、土地資産を持たない大多数のパンピーから強制的にお金を徴収して、土地を持てる層にばらまく、という、資産家優遇でしかない。しかも富の固定化を促進している。

 

 そして今や、国立公園にも世界遺産今でも、パネルを敷き詰めようとしている。

 

 山の木を無理に切ってまでしてる。「固定資産税がかかるなら資産運用でパネルを設置したほうがいい」というけど、いやそれは再エネ賦課金ありきの資産運用でしょ?

 

 (防災省について知識が足りないうちに語っていたと感じたため、削除しました。申し訳ありませんでした)

 

3つの独立 その1

 さて、当ブログでは、これまでところどころで歴史とか地理とか、掲載してきました。

 

 話が長くなる癖のある管理人の自我を抑え、なんとか短くしたつもりなのだけど、「無駄に長い」と評判を呼んでいます。

 

 今回は、ダラダラと続けてきたそれらのお話を、一旦、まとめてみようと思います。

 

 

 管理人は、「国」が独立を維持するためには、以下の「3つの独立」が必要、と考えています。

 

 1,軍事的独立

 2,経済的独立

 3,権威の独立

 

 

1,軍事的独立

 

 これは言うに及ばず。他国の軍による自国への侵攻を阻み、防衛することを自力で行うこと。特定の国とは限りませんが。

 。

 シンガポールの例にしろ、他の国にしろ、自国の人口や国力が小さいがために、自力だけで防衛できない国もある。 

 ユーロ圏の話をした際に、スロベニアなどの例をだしました。

 スロベニアスロバキアバルト三国はどこも人口が300万人に行かないていど。

 自国だけで「隣国の脅威」に対抗できるはずがない。いや、はっきり言うと「ロシアの脅威」ですね。

 それらの小国が多国間の防衛機構に加入するのは、国防の上で必定と言える。

 また、世界の大半の国は「国境」をもって他国と接しています。つまり陸地でつながっている。

 軍事大国のイメージのあったロシアですが、世界地図でロシアを中心に見てみてください。ロシアは、日本、北朝鮮、中国、モンゴル、中央アジア諸国、ジョージアアゼルバイジャンフィンランドバルト三国ベラルーシウクライナと国境を接している。つまりそれだけ他国が陸から侵攻してくる可能性がたかい、ということ。

 それを避けるために軍事費を増大させなければならないし、国境を保つための外交も行わなければならない。

 中国も同様。多くの国と接している。

 大国だろうと小国だろうと、それぞれの国は軍事侵攻のリスクを抱えている。

 いや、国土の面積が大きい大国ほど、このリスクが高くなるといえる。

 

 完全な独立のためには、軍事の独立が不可欠。

 

 

2,経済的独立

 

 1の軍事的独立は、基本的には地図上にひかれている国と国の境目である「国境」の内側の国民の生命と財産を守るために存在している。そうじゃない国もあるけど。

 しかし政治の独立とは、必ずしも軍事だけで成り立っているのではない。

 政治は経済動向に左右される。いや、政治の根幹は経済政策と言える。

 もし、自国の人口が小さく、また自国の生産物を吸収できる巨大都市を持たなかれば、当然自国の生産物の売り先、自国に足りないものの調達先を外国に求めることになる。

 ここでもユーロを取り上げるが、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ以外の国は、自国内の人口も少なく、巨大都市を持たない。必然的に、経済の大部分を他国に頼ることになる。

 興味深いのは、EU加盟国の中の非ユーロの国の中に、ポーランドルーマニアなどがあること。これらの国はEU内で人口5位と6位なんだよね。「中堅国家」と言える。

 簡単にいうと、ポーランドは経済の独自性が失われるために国民の反発が根強く、ルーマニアハンガリーは、ユーロ加入の条件に適合していないから。

 また逆にデンマークノルウェースウェーデンなどは正反対の理由で、すでに自国内で高福祉や安定社会を実現しており、ユーロの導入によってそれらが、「下位の国」

 の影響で失われてしまうのではないか、と懸念して導入しなかったとのころ。ありていに申せば、「ユーロに加入したほうが損をする」ということ。 

 スウェーデンデンマークは人口では「中堅国」ながら、GDPは世界で高位にあります。またスウェーデンは軍事に注力した国のために自国内の製造業が盛んで、デンマークも農業や地の利を生かした海運などで世界的企業が多い。日本でも有名なレゴの本社もデンマークにある。マインクラフトもデンマーク発祥。

 ただ、デメリットとして、世界的な経済苦境のときには、決して人口大国と言えず、自国内に巨大な都市を持たない両国は、むしろ影響が大きくなってしまうこと。

 

 また南米などは完全にアメリカ・ドルの経済圏となっており、アメリカの景気や政策に大きく左右される。それゆえに反米政権が誕生することもあるのだけど。

 

 21世紀にあって、他国と完全に関係を断つことなど不可能。しかし過剰に同調したり、他国市場に依存してしまうと、自国の経済の独自性を失ってしまう。

 経済政策の独自性を失うことは、政治の独自性を失うこと。

 

 よって、国の独立には「経済の独立」も必要。

 

 

 

3,権威の独立

 

 ここでいう「権威」とは信仰上あるいは宗教上の権威を指す。

 世界の多くの国の歴史において、為政者は宗教的権威から「王権」を授与される、あるいは任命されている。

 というよりも、現代では「政経分離」が当たり前になっているけども、もともと宗教と政治は不可分のものだった。それが歴史を経ることで分かれていった。

 現代では政経分離が当たり前になっている、なんて書いたけど、本当にそうなんだろうか?アメリカ大統領は就任式で、聖書に手を置いて宣誓しているし、イスラム諸国では信仰の権威の方が政治よりも上位にある。

 歴史を見て実感したのは、ローマ教皇の他国への政治介入。ある国がカトリックを国教と定めるということは、その国の教会、修道院などがローマ教皇の直轄となってしまう意味していました。

 中世では教会や修道院は、地方や農村の収税や教育の中心でもあったので、カトリックを国教とすると、自国の政治の大きな部分でローマ教皇の介入を許すことになってしまう。

 また、王位の任命もローマ教皇に握られるため、王朝の存続にも介入を許すことになります。スペインなどは、王位につくためにローマ教皇への政治工作が激化しましたし。また、「神聖ローマ帝国皇帝」を任命する、もしくは再任するためのローマ教皇の意地悪の数々を見ると、キリスト教の「一夫一妻の教え」は、ローマ教皇にとってかなり強力なカードになっているとわかります。

 

 つまり完全な独立には「(宗教)権威の独立」が必要であることがわかります。

 

 

 

 では、この3つの独立の観点から、日本を見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今こそ、「天下三分の計」を発動せよ! その2

 さて、様々な都市と国内人口について着目してきましたが、世界にはシンガポールのように、国土が全て都市という国もあります。「都市国家」と言っていいのでしょうか?

 シンガポールは非常に経済の活発な国ですが、食料などを自給できるとは思えません。

 

 このような都市はどのように判断すべきか?

 

 これもまず、歴史を見てみましょう!

 

 

 かつて当ブログでは、「古代ローマベネチア」と題した記事を掲載しようとしました。

 

 ローマ帝国は欧州全域、トルコ、シリアなどの中東の広い範囲、北アフリカなど広範囲を支配した大帝国ですが、中世に栄えたベネチアは、アドリア海の最奥部にある浅瀬に浮かぶ小島にあった都市国家

 干潟にあった島を無理やり大きくしただけあって、市民が広大な土地を所有することなどできませんでした。

 

 土地の所有が無かったことで、交易こそ、国の発展のための数少ない手段となったのです。

 ベネチアは、ペルシャと欧州の交易路を握ることで地中海を制しました。

 この交易路を護るためなら、十字軍に同じキリスト教国を攻撃させることも厭わず。

 自国で食料を生産できず、また高度に発展していた工芸品も、材料を他国からの輸入に頼っていたベネチアにとって、交易は命綱でもあり、そのために自国の存亡が、他国の動向に左右されてしまうのは必定。

 交易が止まると、ベネチアの繁栄が止まるだけではなく、自国の維持すら困難になるのです。

 そのためベネチアのインテリジェンスは当時の欧州でも抜きんでるほど活発となり、スパイ活動や自国の方針に反する外国人の暗殺はもちろん、他国の内政を密かに動かすこともおこなっていました。

 

 広大な領土を支配し、首都ローマがその支配地からの物資を吸収して通貨を供給することで繁栄した古代ローマ帝国と、領土を持たずに交易に専念することで繁栄を維持したベネチア

 

 非常に対象的ながら、ヨーロッパの歴史では珍しく、どちらも1000年もの長い間、存続し続けました。

 

 

 で、シンガポールですが、自国では食料の自給ができず、燃料もなく、自国で生産しようにも材料も他国に頼らなければならない。

 もっと言えば、防衛も自力ではできない。

 アジアでも有数の経済センターとなったシンガポールですが、裏を返せば貿易や経済活動が自国の存亡に直結している。それだけ他国の政治動向に左右されやすい国、とも言えます。

 

 

 ここまでからお話を中国に戻しますが。

 

 中国には複数の1000万人以上の大都市圏があります。

 

 これらの都市圏はそれぞれモノを集める市場としても大きく、モノを集めた対価として通貨をばらまくエンジンとしての働きも非常に大きい。

 

 つまり北京はもちろん、上海にしろ、広州にしろ、重慶にしろ、香港にしろ、それぞれの都市は単独でも十分に世界経済でも大きな存在感を示すことができる、と言えます。

 

 国内に経済の核となる都市が散在し、古代ローマの首都ローマのように、国内でも圧倒的な大都市を持たない。(つーか、圧倒的に大きな都市が多すぎる)

 

 あれ?これはある意味、ドイツと似ていますね。

 

 ドイツとの違いは、ドイツはそれぞれの都市には大企業があるために独自財源となる税収が見込めるけど、各都市の人口が小さいために国内の経済の核となる都市がないために独立傾向にあり、逆に中国は世界企業こそないものの、国内の地方都市がそれぞれ経済の核となるほど巨大なために独立も可能なこと。

 

 つまり中国の各都市も、独立しても自立できる潜在力がある、ということ。

 

 経済で見る中国の姿は、ドイツと同じ連邦制に近いかもしれない。

 

 実際、中国の歴史を見ると、秦、漢、隋、唐、晋、宋、元、明、清などの統一王朝

が思い浮かぶものの、春秋戦国時代五胡十六国南北朝時代五代十国の時代など、群雄割拠していた時代も、100年単位で続いていたのです。

 

 その群雄割拠の時代の都市人口を調べてみると、首都と地方都市であまり人口に差がないのかもしれません。

 つまり中央となる巨大首都がないために、経済の指向性も小さかった、と。

 

 ちなみに、ここで「もしかして日本の戦国時代もそうだったのか?」と思われる方もいるでしょう。実際、戦国時代の日本の都市の人口を調べると、京の都が人口で突出していたとは言えず。

 京、大坂を中心とする畿内は日本の他の地域よりも大きな経済力があったものの、江戸のような抜きんでた都会ではありませんでした。

 なんせこの時期、京や山城は応仁の乱の主戦場となったので、人口の減少が激しかった。

 つまり戦国時代の日本も、経済の結びつきでいうと一極集中とは言えなかった。

 つーかこの時はそれに加えて、特に西日本でシルバーラッシュとなって、地方の大名では「ウッハー!」な状況になっていたのもありますが。

 

 とにかく、中国は潜在的に、地方の独立の可能性を秘めているわけです。

 

 このような独立傾向のある国土を中央集権的に一体として統治するためには、経済の実態ではなく、強力なイデオロギーが必要。

 

 今や日本はおろか、アメリカをもしのぐほど金満となった(最近はマズイらしいね)中国ですが、資本主義国家が「あんたら、それ本当に共産主義なの?」と指摘するのはお門違いです。

 

 共産主義かどうかなんて、実際のところ、どうでもいい。

 

 下手したら勝手に活動しかねない地方都市をまとめるためには、嘘だろうがなんだろうが、イデオロギーの名のもとに統制するしかない、といえる。

 

 一見すると豪勢を誇るように見える中国共産党ですが、実は自分たちの統治の正当性を維持するために、危険と隣り合わせであることがわかります。

 

 景気が良くなりすぎると民間や地方が勝手な行動をし始めるかもしれない。

 一方で、景気が悪くなって失業者が増えると、それこそ共産主義の本質と矛盾が露呈して、統治の正当性が揺らいでしまうかもしれない。

 

 実は悩める大国でもあるわけです。

 

 

 最近、中国は尖閣諸島をはじめ、日本や近隣諸国に軍事的な圧力行動を繰り返しています。

 

 もし、これ以上、威圧が活発になるのであれば、中国に対する策を講じる必要があります。

 どのような「策」を取るべきか、ですが、これも地図帳からわかる上記の内容で、判断できます。

 

 中国の各都市は、独立する潜在性が高い。

 

 それならば、各都市の経済活動をさらに活発化させて、中央の縛りを脱却させ、地方都市を暴走させる!

 

 都市圏ランキングで挙げた上海や広州、香港などが、独立しやすい都市と言える。

 

 つまり中国国内の大都市である上海、香港の経済を活発化させて首都・北京の経済圏から脱却させて、これらの都市を中心とした国に分裂させる!

 そして「北京国」「上海国」「香港国」を建国させる!

 

 名付けて

 

 「天下三分の計」!!!!!!

 

 

 どう、面白かった?

 

 (実は「天下三分の計」を言いたかっただけのシリーズでした。)

 

 

 

 

 

今こそ「天下三分の計」を発動せよ! その1

 前回まで、長々お話ししてきました。

 

 本当は世界の国々を見てこようと思ったのですが、時間が足りず。

 

 もう一つ、中国を都市を単位に見てみましょう!

 

 1位 広州市 4860万人

 2位 上海市 3110万人

 3位 北京市 2007万人

 4位 天津市 1118万人

 5位 厦門市 1010万人

 

 以下9位までが800万人以上、17位までが500万人以上、102位まで100万人以上の都市が並ぶ。

 

 

 いやあ、すごいっすね!

 最初に見て、思わず笑っちゃいましたからね。

 

 ただこれを見て、皆さん疑問に思われると思います。

 

 都市圏ランキングでも突き抜けてしまうじゃないか!と。

 

 世界都市圏ランキングでは、3500万人の東京が堂々の世界一位なのですが、このランキングでは5000万人近い広州市がずば抜けていますね。

 

 これはおかしいぞ、と中国の都市人口について調べて見たら、見る資料によってことなるんですよね。

 

 中国の行政区における「市」は、日本の概念と異なり、また一つの行政区がかなり広く、それこそ日本の「県」レベル以上の「市」があるらしく、都市圏として行政区の人口を単純に足すと、かなり広範囲になってしまい、さらには都市部からかなり離れ、もはや都市とは言えない農村の人口まで含まれてしまうため、統計が難しいらしい。

 で、中国では都市の人口を「都市圏」で調べるのが一般的らしいのですが、それも大きな幅がでてしまそうです。

 

 なのでここでは「世界都市圏ランキング」を参考にして「都市人口」といたします。

 

 

 すると

 

 1位 上海 2200万人(世界7位)

 2位 広州 2011万人(世界11位)

 3位 北京 1943万人(世界12位)

 

 まあ、以下あるのですが、ここまでにしておきます。

 中国国内には上の3つも含めて、合計で6つの都市圏が1000万人以上となっています。

 

 正直言って、これも正確とはいえないかもしれない。もっと多くてもおかしくはないのです。でも、都市としての一体性があるのかどうか。

 

 そう、これも今回調べ始めてわからなくなってしまった点で、「じゃあ都市圏ってなによ?」と。

 これは長くなりそうなので、後日「都市圏と都市」についてお話しします。

 

 なお、J・G・バラードの「時間都市」という小説をお勧めします。

 この本には、都市にまつわるSF短編集が収録されています。

 この中のお話の一つに、どこまで続いているのかわからないくらい広がり過ぎた都市が舞台のお話がありまして。都市が横にも縦にも発展し過ぎて、「建物」の区分けもなくなってすべてが結合してしまっていました。そのある「区画」に住む主人公は、ふと思いました。

 「この町の果てはどうなっているのか?」

 彼は「都市の端っこ」を見るべく、トレインにのってひたすら一つの方角を目指し始めた!果たして、彼が見た都市の端っこの姿とは?

 アマゾンで買えますので、お勧めです。

 

 上海とか深圳にすむ中国人には、都市から出ないで成長して結婚し、生涯を終える人もいるのではないか?というくらい、中国の都市は面積で広がってします。

 

 話を戻しますが、ここまでユーロ圏などではむしろ巨大な都市圏を持たないことがわかりました。そのため、ユーロ圏内の生産物の多くがユーロ圏外へ輸出されることになります。

 また今回は言及しませんでしたが、非ユーロでは、イギリスがロンドンが1000万人以上の都市圏を持っているにも関わらず、イギリスの人口が6800万人と、総人口に比べて都市人口の比率が大きすぎる。国内市場が決して大きいとは言えない。これは韓国でも言えますね。ソウルの人口に比べて5100万人の総人口。

 こうなると、都市を維持するために必須な経済活動や物資を国内だけでは調達できず、輸入をし続けないといけない、とも考えられます。

 また、モスクワは1000万人以上の都市圏を持ち、石油も農業も十分のロシアですが、残念ながら一次産業に頼るあまり国内産業に広がりがありません。

 

 そう、欧州はどこも一長一短なわけです。かなり端折ってしまってるけど、本当は面白いところ。

 

 欧州の国々は、メガシティーを国内に一つでも持てれば「御の字」だったのに、中国には複数あります!

 

 ・・・・・しかしこれが逆に中国の潜在的な不安定要因となっているのです。

 

 

 

 続く