先日、エスコン新駅についての記事を書きました。
エスコン観客だけを考えると躊躇してしまうけど、南側の千歳にラピダスが完成すれば、住宅地としても発展が期待できる、と。
一応、エスコン新駅は着工に向けて動き出したようです。
その後、いつも拝見している北海道の交通系の動画を見て、このエスコン新駅の建設が、決してエスコンフィールドだけの問題ではないことを知りました。
その動画によると、要はすでに千歳線のこの区間、「札幌ー新千歳空港」間はダイヤが過密していて、線路容量を超えてしまっている、と。
確かにエスコン新駅は、札幌-新千歳空港という、北海道で最も列車が通過する路線にあります。
この区間には、普通列車をはじめ、札幌と新千歳を結ぶ快速「エアポート」(JR北海道を代表する快速)、帯広・釧路、苫小牧、室蘭方面への特急車両、本州への貨物列車などが数分単位で行き交っています。
すでに過密ダイヤになっているところに、エスコン新駅ができても観客用の車両を用意できるのか、と。
これは正しい。
しかし、これはエスコン新駅だけの問題ではありません。
千歳で着工されたラピダスが稼働すると、沿線人口はより多くなると思われます。
ということは、エスコン新駅に関係なく、この「札幌ー新千歳間」の過密を解消する抜本的な解決が求められます。
また2030年に新幹線の札幌延伸が実現すれば、この地帯は新幹線駅にも新千歳空港にも近い場所として価値が上昇する。
で、ですね、その新千歳空港のJR駅も問題を抱えている。
新千歳空港駅は、新千歳空港の真下にありますが、盲腸線のために折り返し運転となります。もし新千歳空港から帯広・釧路・函館・室蘭方面に向かい場合は、南千歳で乗り換えないといけない。
新千歳空港の利用者急増を受け、新千歳空港と札幌との輸送の改善も求められていました。
コロナ前の2019年、「将来的な計画」として、新千歳空港駅の改修、というよりは新設に近い大改造計画が発表されました。
しかしコロナで状況は暗転。もともと10年単位の長期計画だったのですが、無期限の延期に近い存在になってしまった。
ところがところが、またまた状況が変わり、ラピダスの建設が決まった。しかも数年後。
ラピダスの建設により、この区間の輸送力増強は喫緊の課題となってしまいました。
もはやレールの増設なども現実的に考えないといけないレベル。
こうしてみると、エスコン新駅の問題はエスコンフィールドだけにとどまらない、道央圏の交通の抱える根本的な問題と言えます。
エスコン新駅の建設は、新千歳空港駅と連動する必要が出てくる。
こうなってくると、エスコン新駅問題は、北広島だけの問題だけではなくなり、札幌、恵庭、千歳、新千歳空港を含めた広い地域にまたがった問題と言える。しかも新千歳空港も関係するとなると国土交通省という中央省庁も関わってくる。
これは北広島がどうこうではなく、北海道や知事が主体となって解決にうごかなければならないのではないでしょうか?
この問題には、そんなに時間が残されていません。
追記
北海道新聞によると、札幌市電が30円値上げになる、とのこと。
資材高騰や燃料費の高騰が原因とのことですが、日本ハムの移転も関係しているのではないか、と勘繰ってしまう。
日本ハムが札幌ドームで試合をすることで、東豊線はドル箱となっていました。
それが今年は激減したはず。
市電の値上げを決める前に、交通局全体の売り上げや地下鉄・市電の路線別の収支も公表する必要があるのでは?
日本ハムの移転は、札幌ドームの赤字化だけではすまない影響を残しつつあるのではないでしょうか。