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函館新幹線は現実的な問題

 日本の夏において、集中豪雨による災害は「必ず起こるもの」となってしまいました。

 

 今年も日本の各地で、集中豪雨による被害が発生してしまいました。それは雨災害が少ないとされる北海道でも同じ。

 つい先日も、札幌近郊のJR線が、大雨による影響で運休となってしまいました。

 

 ただ、台風は9月にも多いとされているので、まだまだ気を抜くことはできません。

 

 

 さて、今夏の集中豪雨災害で、注目すべき出来事がありました。

 

 東日本の集中豪雨の被害により、東海道新幹線をはじめ、山陽新幹線まで、全ての新幹線が運休となってしまったのです!

 

 山陽新幹線のある西日本の天候はよかったんですよ。

 

 なのになぜ、西から東まで、新幹線が運休してしまったのか?

 

 それはこのブログを読んでいただいている方ならお分かりかと思いますが、東京から博多まで、一つのレールで結ばれているからです。

 

 日本の人口と経済の集中地域を貫く東海道・山陽新幹線ですが、それだけにダイヤはすでに過密しています。しかも東京乗り入れ便も多いため、東京が西日本のダイヤにも大きく影響しているのです。

 東京方面の短い区間で運休となってしまった場合、ダイヤ体系を乱さないためには西日本も連動してしまうのです。

 

 管理人も、東北・北陸・上越の新幹線と異なり、さすがに日本の大動脈である東海道・山陽新幹線では「安全弁」があるだろう、と思っていたんですよ。それこそ新大阪で折り返し運転とか。

 

 しかし、使用車両の都合などもあり、それも無理だったのです。

 

 これは新幹線が拡大した負の影響ともいえる。新幹線ダイヤの東京一極集中がもたらした弊害。

 

 とはいえ、東海道・山陽新幹線は東京と結ぶためだけにあるのではありません。沿線には名古屋を筆頭に、静岡や京都、神戸、岡山、姫路、広島など、大都市があります。これらの都市間移動でも、新幹線は重用されています。

 

 「国土強靭化」が、ここ数年、叫ばれていますが、新幹線体制の強靭化はその中でも緊急度の高い部類なのではないでしょうか?

 

 要は、全てのダイヤが停止するのを避けるため、短区間ごとに「安全弁」を設け、ローカルの循環は保つようにする、と。

 

そうなると主要駅での引き込み線の新設などが必要になってくる。

 

 北海道新幹線の札幌延伸が実現した場合でも、これは必要になってくる。現状では、長野県のどこかで災害が発生し、北陸新幹線の長野県の区間で不通となってしまっても、札幌発東京行きの新幹線にも影響が出てしまうのです。

 

 東海道・山陽新幹線は、人口密度と言う点で「全国規模」の大きな損害をもたらしました。北海道、東北、北陸、上越新幹線は、人口こそ少ないものの、国土をカバーする面積の広さで言えば、東日本から北日本の広範囲に影響を及ぼしてしまいます。

 

 そして、北海道で言えば、より使用頻度が高まるとされる「札幌ー函館」間も、影響が出てしまう可能性が高い。

 新潟県の新幹線事故によって、札幌ー函館も運休になってしまう、という事態まで起きかねません。

 

 しかし、函館駅までフル規格の「引き込み線」を作ることで、北日本のどこかで災害が起こっても、少なくとも北海道内のローカル循環は保つことができる。

 

 建設費は100億円くらいらしい。もっとするかもしれないけど。

 

 東京の経済関係の方は、この金額をどう思われますか?

 

 「函館市民だけが得するのに100億円はもったいない!」と思われますか?

 

 しかし、今夏の新幹線の「事件」を思い出していただきたい。

 

 東京から福岡まで、全ての便が運休したことによる全体の経済損失は、たった一日でも100億円は軽く超えたのではないでしょうか?

 

 災害は避けることはできません。なので経済損失は避けられない。

 

 しかし、それでも西日本や他の区間の一部でも運休を回避して、ダイヤを維持できていれば、その経済損失を少なくすることはできたのではないでしょうか?

 

 そう考えた時、100億円の投資は、高いのでしょうか?

 

 集中豪雨により被害は、これから先も毎年、起こるでしょう。

 

 災害そのものをなくすことはできないとしても、その影響を小さくすることも「強靭化」の一つなのではないでしょうか?

 

 函館新幹線は、決してローカルな問題ではないと思います。

 

 そして、この問題で悩んでいるのは函館以外にもあると思います。特に既存の新幹線沿線の都市で。

 東京のダイヤに振り回されて、ローカルな循環まで止まってしまうことに不安を感じる地方自治体は、他にもあるのではないかと思われます。

 

 函館新幹線を求める際に、それらの自治体をともに、この問題を訴えるのもいいかもしれない。

 

 

 ・・・・・・すみません、ここ数日「A列車で行こう」をプレイし過ぎました。

 

 

 追記

 

 今年、札幌ー函館間の都市間バスが大幅に減りました。運転手不足のためです。

 移動する手段として、これから鉄道の比重がより大きくなると思われます。

 今の新函館北斗駅のままで、満足のいく「都市間移動」が確保できるのでしょうか?

 新幹線のフル規格による函館駅延伸は、妄想ではなく現実的、それも想像以上に緊急の課題、と言えます。