もう20年も前のお話をします。
平成の大合併が叫ばれ、全国の自治体で広域合併が行われました。
正直、かなり強引な合併も行われ、釧路などは「飛び地」ができる結果に。
また、全国で合併後の新しい市の名前が話題になりました。平仮名の市の名前も増えました。中にはトラブルとなった自治体もあります。
愛知県では中部国際空港の開港を控え、空港のある自治体が「南セントレア市」にするとなり、全国ニュースとなりました。セントレアというのは中部国際空港の別名ですね。
この名前に対し、地元で反対の声が噴出。取り下げることとなりました。
他に、長野県では「南アルプス市」が誕生。日本なのに「アルプス」を名乗ってよいのか?という疑問がありつつも、現在に至ります。
その際、全国的に少しだけ話題になったのが「南アルプス中学校」の略称はどうなってしまうのか?というもの。
皆さんも「市立南中学校」なら「ナンチュウ」とか、地元の略称があると思うのですが、南アルプス中学校の場合「アルチュウ」になってしまうのではないか?と地元の中学生から不安の声が上がった、とのこと。
まあ、ネタなんだけどね。
南アルプス市の中学生諸君!
北海道には「喜茂別高校(きもべつこうこう)」「蘭越高校(らんこしこうこう)」があるぞ!
で、ですね、そんな感じで新自治体名で論争が起きることも珍しくなかったのですが、道東でも騒動が起こりまして。
標津と中標津と羅臼(違うかもしれない)が合併して、「東オホーツク市」にする、という構想が浮上したのです!
これ、衝撃的なニュースとなりまして。
標津と中標津と羅臼は「根室支庁(今は根室振興局)」に属していまして。
堂々と「オホーツク支庁」と名乗っていたオホーツク地方の自治体から、不満の声が出たのです。
つーか、地元が最も驚いたのは、北海道と国後島の間の海峡も、「オホーツク海」だったのかよ!ってこと。
この海峡は「根室海峡」とか「野付水道」などと呼ばれるのがフツーになっており、それが独立名称となっていると思い込んでいた。
そう考えると、二つの海が接する場合、どこが境界線になるんでしょうかね?
地図マニアよ、面白いネタができたぞ!
つーか、すでにロシアの極東に「オホーツク市」があるのに、なんで日本にロシアの名前の自治体ができるんだ?と。
ちなみにオホーツク市は、オホーツク海を挟んで北海道の対岸にあります。かなり北方。もはや北極圏なのではないか?
人口は3330人だそうです。
誰か、行って見てくんない?
で、その東オホーツク市構想ですが、地元の人の投票によって、合併自体が消えました。中標津も標津も羅臼も、儲かっている自治体のうちに入るのでは?
人口は少ないけど、中標津はなかなかすごいよ。
ああ、前置きが長くなってしまった。
この秋くらいに、新しい国立公園が、北海道に誕生します。
・・・・・・また、長ったらしい名前ができてしまった。
それも「新函館北斗駅」を超えるレベル。
十勝地方の希望で、最後に十勝が加わることになった、とのこと。
これ、全国の皆さんはどう思います?いろんな思惑が見えてしまう名前だけに、かえってイメージが悪化してしまうのでは?
この新国立公園は、日高山脈を中心とした範囲で、ここは確かに名峰が並び、独特の生態系があり、公園区域の南部にあるアポイ岳は、世界でも珍しい、マグマが固まった「かんらん石」を見ることができます。アポイ岳は世界ジオパークにも選ばれているので、国立公園になるのは問題ないと思われます、が。
名前がね。
十勝の人の気持ちもわかる。十勝からはほぼどこからでも日高山脈を見ることができます。
正に札幌との「壁」という感じ。
「日高山脈」という名前だけど、日高地方よりも十勝から見たほうが、視覚的にインパクトが大きいのは事実。
でも、公園とは、あくまでも地理の名称から取られるべきと思うんですよね。
皆さんはどう思います?
こんな感じで今日は終わり。