昨日、来春のセンバツ高校野球の21世紀枠の候補となる高校が発表されました。
そこに稚内大谷高校の名前もありました。
当ブログでは、稚内高校を強力に推薦いたします。
なお、ご覧の皆さんが思っている通り、「地元だから推薦する」というのは捨てきれないと思います。これからの文章も、管理人が意識しないうちにバイアスがかかっていると思ってください。
で、推薦理由ですが、稚内大谷は、北北海道地区ではもともと強いチームだった、ということ。
全国の皆さんが「北北海道地区」と聞くと、「北海道の上の方なんだろうな」と漠然と思うかもしれませんが、利尻、礼文を含む稚内から根室までの広大な地域です。稚内から根室まで定規で直線距離を測り、東京からどのくらいの範囲か、調べてみてください。名古屋を超えるかもしれませんね。新潟方面だと日本海に出てしまうかもしれない。
直線距離で長いだけでなく、道北、道央の一部、道東全域を含んでいるので、面積でも九州を超えます。
広すぎる地区なのです。
あまりにも広すぎるので、夏の高校野球大会でも、「北北海道地区予選」に出場するための地区予選が開かれます。「地区予選の地区予選」ですね。
これがなかなか大変で。
北北海道地区の中でも旭川地区や十勝などが有力地域で、他の地域から有望選手が流出してしまうのです。
釧路地区は人口は多いものの、やはり選手は十勝に行ってしまうことが多い。数年前に「数十年ぶり」に釧路地区から武修館高校が出場した際は、北海道新聞に地元企業が応援広告を掲載していましたからね。
選抜に女満別高校が21世紀枠で出場した際には寄付が集まり過ぎて記念館が建てられたそうです。
この「地区予選の地区予選」を突破するのも大変で、数年前に日高地方の浦臼高校が地区予選の地区予選を突破して南北海道大会に進出した際には、「日高地区から数十年ぶりに南大会に進出!」と、南地区予選に進出しただけで新聞に載っていましたし、浦臼出身の札幌人が「すごい!」と騒いでいたのを覚えています。
とにかく、地方にとっては甲子園ははるか遠くにあり、そもそも本当に存在しているのか?と言うレベルなのです。
で、その中では稚内大谷高校は、名寄地区予選を突破するくらいには「強豪校」であるといえます。
もう十年以上前になるけど、北北海道大会の決勝まで進んだことがあり、あと一歩で甲子園!だったのだけど、旭川の高校に敗れてしまった。
そう、昔からの有力校ではあったので、全くの弱小チームが話題作りで選ばれた、というわけではない、と言えます。
そして、もう一つの推薦理由は、「野球の普及」です。
地方での高校野球への思い入れは、都会の比ではないと思う。冗談ではなく、地元の高校が試合に出る日は、町中から人影がなくなりますし。そのために受信料を払っているようなものです。
しかし、上にも書いた通り、北北海道地区では旭川周辺と十勝以外は、甲子園は遠い存在。
せひ、この地区にも甲子園を感じてもらいたい、と。
それは選手個人やチームとしての経験だけに収まらなく、地域全体に影響を残すと思われます。
たった一つの冬季競技で、その地域が変わってしまった、というのをご存知と思う。
日本ハムができてから北海道の高校野球が大きく変わったように、稚内大谷が甲子園に出場することで、名寄地区が大きく変わるのではないか、と管理人は期待するのです。
他の地域の高校も、選ばれるだけの理由がある素晴らしい野球部ばかりだと思います。しかし、多くは近くに強豪校の存在を感じることができると思う。
だからこそ、そのような強豪校の存在を遠く感じる名寄地区の高校が出場することで、彼らが持ち帰る経験が長く生かされると思うのです。
それこそ、29年前にワールドカップに出場できなかったものの、それから世界を目指すようになって強豪国に勝てるようになったサッカーの例がある。
今後、数十年に渡って地域に影響を与える、という観点からも、ぜひ稚内大谷を選抜してほしい、と思います。