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古代ローマとヴェネチア その1

 先日、都知事選挙に立候補した、安芸高田市長の石丸氏ですが、余計な一言を言ってしまって、早速、都民から総スカンを食らっています。

 

 そりゃそうだよね。都知事なんだから都民を優先することを言えよ、とは思う。

 

 函館に新幹線を実現する、と言ってしまうくらいのことを言うべき。

 

 函館の新幹線の公約は、まだいいですよ。その後、実行しているから。

 

 地方の選挙の公約なんてのは、大抵は実行されません。

 

 管理人が覚えている中で最大の「大ボラ」が、札幌市営地下鉄のJR線への乗り入れ、です。

 これは無理ですね。ご存知の方も多いかもしれないけど、札幌市営地下鉄の車輪はゴムタイヤなんですよね。レールも、鉄道のように細いのではなく、幅がかなり広いです。

 あれ、どうなったんかね。少しは前向きに動いたのだろうか。

 おそらく、すぐに誰も口にしなくなったんだと思う。

 

 そんな石丸氏に、一発逆転の作戦をご提案します。

 

 その名も「8つのゼロ公約」!

 

 小池氏が「7つのゼロ」なら、こっちは一個増やしちゃうぞ、と。

 

 そして8つ目の公約に「公約達成ゼロ」を掲げれば、「何もしてないじゃん!」

という批判をかわすことができます。だって公約に書いてあるんだもん!

 

 さて、石丸氏の過激発言ですが、選挙を別にすれば、地方民にとっては、一理あると思った方も多いのでは?

 

 1998年に大店法が成立して以来、地方の都市は大きく変わってしまった。

 

 イオンに代表される大型ショッピングモールが進出し、駅前に集中していた商店街や「地方デパート」を圧迫。今では駅前が一番寂れている、という都市が多いと思う。

 

 そして駅前ではなく、広大な駐車場を完備した大型の家電品店や家具店、ドラッグストアなどが、郊外の国道沿いに集積し、そこが都市で一番にぎわう場所となった。

 

 また、結構、耳にするのが「談合がなくなった」という話。昔は地方の公共施設の工事は、地方の会社が持ち回りで応札して、それぞれの会社が利益を上げる仕組みになっていた。それが厳しく規制されるようになってから、東京本社の会社が参入するようになった。建設関係の方からは「談合はいいシステムだったんですよ」とよく聞いた。

 まあ、弊害もあったんだけどね。

 

 それら大型店舗の本社は首都圏に集中しているため、法人税などは首都圏に集中することに。

 そして地場産業が弱ったところで東京資本に買収され、ということが繰り返されてきたのが、「失われた30年」の地方。

 

 上に挙げたことは、良い面も悪い面もあった。

 

 良い面は、地方にお金が落ちたということ。

 悪い面は、地方の閉鎖性を強めた、ということ。

 

 地方に住んでいたら、なんとなくわかるでしょ。地方の閉鎖的なところ。東京などの経済評論家やコメンテーターは、地方の名士と交流するからそういう面での情報しか入らないだろうけど。地方都市で人口が減っているのは、その空気を嫌がって、という面もあるんだけどね。新規はかなり厳しかった、と言える。

 安芸高田市がどうだ、とは言えないけど、地方都市の閉塞感の原因なんて、想像できそうなもの。

 カエサルは執政官に就任した際に、元老院での議事内容を全て公開して市民を味方につけることで、議会での劣勢をはねのけようとした。

 

 石丸氏もそれを利用して、強行突破しようとしていたのなら、地方では有効かもしれない。

 

 問題は、あそこまで公開し、あそこまで議員を敵に仕立てででもやりたかったことが何か、がわからない、ということ。石丸氏のヒーロー像だけが有名になった。

 

 って、仕事だから続く!