知床岬の太陽光パネル設置が問題になっていますが、これを機会に再生可能エネルギーを推進する立場の方にも、読んでいただきたい本があります。
管理人は、再エネに「絶対反対」の姿勢ではありません。むしろ応用されるべき、と考えている。
管理人が反対しているのは、「自然を破壊してまで再エネ装置を設置すること」です。
都市部にお住いの方で、市街地に隣接する形での森林伐採や宅地化が問題になったとしたら、それは地元の方が許せば開発されていいのではないか、と思います。
実際、釧路湿原で有名な釧路ですが、別に国立公園内だけが湿地なのではなく、釧路市内にも湿地やいわゆる「底なし沼」があります。そこを埋め立ててできた宅地に家を建てた、という方もおられる。無条件に開発に反対するわけではありません。
反対するのは、国立公園や世界遺産など、絶対に自然が守られなければならない場所に、再エネを建設すること、です。
管理人は湿原の保護を行っている団体に、微力ながら協力させていただいています。7年か8年くらいになるかな?
保護団体に活動として、湿原周辺の遊休地や原野商法で区分けされた土地を買い取って、保護地域とする、というのがメイン。
釧路湿原というのは、国立公園で線引きされた部分だけで成り立つわけではありません。釧路管内や根釧台地の広い範囲から水が集まって、「湿原」と名称される場所に集まっているわけです。もし、周辺の土地で開発が進めば、湿原に流れ込む水も減ってしまい、湿原の枯渇につながってしまいます。
で、大規模な工場などが進出して地元の自治体や住民の利益になる、というのなら別ですが、何年も利用されていない土地は価値がないから放置されているので、それを買い取って保護地とするのは、何の問題もないと思います。
かつては買い手もなく、簡単に落札できたそれらの土地の競売にて、近年、競り負けることが増えてきた、とのこと。太陽光パネルが設置されるケースが増えてきているそうです。
何のために太陽光パネルを設置するのでしょうか?
地球温暖化を止めるため。その原因である二酸化炭素を減らすため。
なのに、二酸化炭素の吸収源である森林や遊休地の雑草などを開発して、ソーラーパネルを敷き詰めようとしている。メガソーラーの土地は、発電はしても二酸化炭素を吸収してはくれません。
この「地球温暖化防止」という名目の裏で、実際にやっているのが「二酸化炭素の吸収源の破壊」であることに、反対しています。
いよいよ夏休みも近づいています。この夏、自然とは何なのか?を、これからご紹介する本を読んで、考えてみていただきたいとおもいます。特に都市部、東京の方に。
1,海と陸がつなぐ進化論
ちょっと大仰かもしれないけど、生物の進化は陸と海と共生によってなされていることを知ってみよう!自然保護、を俯瞰した視点で見る、ということで。
2,森が消えれば海も死ぬ
海と森は、一見、完全に別の世界を形成していると思われますが、実は密接に関連しています。
そう、SDGずの精神にのっとって、漁業を永続するためには、森林は保護されなければなりません。
3,魚付林の地球環境学
これは正に、オホーツク海の自然について、語られたもの。
オホーツク海自身が、陸の生態系と密接に関連しているのです。
つーか、管理人も流氷について、これを読んでアップグレードしないといけない、と思った。
4,風連湖流域の再生
管理人の高校くらいまで、畑にまく堆肥、まあ牛とかの糞尿ですね。
それらは畑の隅に野積みされていたんですよね。文字通り、山のように盛られていた(爆笑)。
それが、大学に入ったくらいかな?
下はコンクリートで覆われ、屋根がついた場所に、堆肥を保存しなければならなくなった。
当時は「牛糞の家の方が、一般住宅よりも高価だ」と笑い話になっていたんですけどね。
なぜ、牛糞をこんなに丁寧に扱わなければならないのか?
雨などが降って牛糞が川などに溶け出ると、富栄養化によって、周辺の水辺の水棲生物が死滅してしまうことが指摘されるようになったのです。
そう、「赤潮」という現象は、開発が進んだ結果で起こるだけではないのです。
何が言いたいかというと、「たかだか狭い範囲の伐採」ではないのです。些細なことから、特に北海道のような自然との距離が近い場所では、小さなことでも環境に影響を及ぼしてしまう、ということ。
以上のように、環オホーツク海の環境は、非常に繊細なのです。
近年、釧路湿原にソーラーパネルが設置されるケースが増えています。
キタサンショウウオの生息地だから守る、のではないのです。シマフクロウのために守るのではないのです。オジロワシだけのためでもない。
湿原があることで、多様な生物が生息できる環境が整えられるのです。知床も同じ。
それは結局は、水産資源の保護にもつながるのです。それが「オホーツクブランド」をさらに向上させる。
ぜひ、この夏の間に読んでみていただきたいとおもいます。