ハドソンとNECは1987年10月30日に、次世代ゲーム機「PCエンジン」を発売します。
PCエンジンは、「凄まじい」ゲーム機でした。全てにおいてファミコンを凌駕していました。
当時、それまでの主流のファミコンは、その性能の限界に達していました。
同時に画面に使用できる色の数が決まっているので、ゲーム画面は単調で、音楽も電子音。今でこそ再評価されているファミコンの電子音とドット絵ですが、当時はむしろファミコンの限界を子供にも知らしめていました。
また限界容量も小さく、「1メガ」のゲームが出るぞ!となると、なんだか革命的なことが起こっているかのように思われました。
そんな、ファミコンの限界を思い知らされていた時にメディアで発表されたPCエンジンのゲーム画面は、それまでの常識では考えられないものでした。
非常に大きくリアルなキャラクターが、チラつきも少なく動いている!
当時のファミコンでは、一つの画面の中に多くのキャラクターが同時に登場すると、なんと一部が消えてしまいました。シューティングゲームでは致命的な性能限界ですが。当時の子供たちは「しょうがない」と割り切って遊んでいました。つーか、そういうことに疑いを抱かなかったような・・・。
PCエンジンではそれが少ない。
そして何より、ゲームセンターで稼働しているゲーム機と同じゲーム画像が再現されている!!
今はゲームセンターが縮小し、あってもプリクラやクレーンゲームばかり、となってしまいましたが、昔のゲームセンターには、各社の当時のゲーム技術の最先端が次々と投入され、世界に誇る日本のゲーム技術の見本市のようになっていました。
F1グランプリは各自動車メーカーが、自社の技術を競う場ですが、ゲームセンターはまさにそのような場所になっていました。
セガは「体感ゲーム」と称して、奇抜で巨大な筐体を次々にリリースし、タイトーは画面を2つくっつけたゲームを開発。その他のゲームメーカーも、ゲームセンターのゲーム機に次々と「最先端技術」を投入していきました。
あの時の日本のゲームセンターって、世界でもおかしなくらいに突出して発展していたと思う。
このように、ゲームセンターのゲーム機こそがゲームの「最先端の場」もしくは「実験場」であったため、ゲームセンターのゲーム機と家庭用ゲーム機の間には、埋めようがないほどの差があると思われていました。
ゲームセンターのゲーム機による超美麗なグラフィックは、家庭用ゲーム機では絶対に再現できない、と思われていました。
それが、PCエンジンではゲームセンターと同じ画像が、家庭用のテレビで映し出されているではないか!!
これは本当に家庭用ゲーム機なのか?
管理人と同世代のファミコン世代ならわかってもらえると思うけど、本当に信じられないことだったのです。
PCエンジンが登場して以降、ゲーム機業界は、任天堂のファミコン、セガのメガドライブ、そしてNEC(開発はハドソン)のPCエンジンの三つ巴の状況となりました。
ファミコンとPCエンジンが8ビットなのに対し、メガドライブは16ビットと、数字上の性能はメガドライブが一つ抜けているかのように思われていましたが、それは違った!
メガドライブファン、セガファンの方には申し訳ないけど、はっきり言って、PCエンジンこそ、あの世代のゲーム機の中で最も優れていました!
メガドライブのゲームは、なんというか、動きがもっさりしている、というか。
イマイチ、キャラクターの動きに滑らかさが感じられず、反応も遅いというか。
この違いを分かってもらうために、youtubeにて「スペースハリアー」のプレイ動画を見てほしい。
スペースハリアーは、ファミコン、メガドライブ、PCエンジンの全てに移植されていますが、本家のゲームセンター版に最も忠実で、ゲーム性が高いのは、PCエンジン版だと実感していただけるかと思います。
ハドソンはもともと、ファミコンでアクションゲームやシューティングゲームに力を入れていたので、PCエンジンもそちら方面に強い機種になったのかな?
ハドソンは、8ビット機で、同世代を凌駕する性能を発揮するゲーム機を作ってしまいました。
これだけでもPCエンジンは世間に対し、大きな衝撃を与えていたのですが、これだけでは収まりませんでした!
ハドソンは1989年に、それ以降の家庭用ゲーム機の常識となる機体を発表するのです!
続く!!