今年も甲子園での高校野球大会が近づいています。
そして、北海道では「地区予選の地区予選」が終了。
北海道は広すぎるので、まず各地方単位の予選が行われます。釧路地区とか名寄地区とか。
そこを勝ち上がったチームが、「本戦」と呼ばれる「北北海道大会」「南北海道大会」に進出できるわけです。
しかし各地区は、それぞれの地区の大都市(と言っても10万人超くらいなもんだけど)も含まれるので、どうしても「都会のチーム」が強豪となり、本戦に出るチームもほぼ固定しつつある。
昨年、当ブログで紹介した稚内大谷ですが、確かに全国の高校野球的には全くの「無名高校」ですが、道北地区では稚内は都会なので、強豪チームなのです。予選で負けちゃったけどね。来年こそ、甲子園で「稚内」の名を響かせろ!!
まあ、とにかく、地方予選では「市」の高校と「町・村」の高校の野球部では実力差が非常に大きいため、「〇〇町」の高校が出場することは難しい。
数年前に日高の浦河高校が「本戦」に進出したことがあったのですが、地元では大騒ぎになった、とのこと。なんせ浦河高校の所属する「室蘭地区」は、全国レベルの強豪・駒大苫小牧をはじめ、北海道栄など、有力校がひしめいていますからね。その地区を突破したんだから、大ニュースなわけです。
それこそ、山形県の高校が、大阪桐蔭に勝利しちゃった、くらいなインパクト。(山形県民の皆さん、申し訳ありません)
そんなわけで「本戦」に出場するチームは、ほぼ同じになるのが通例。
しかし!
「北地区」の北海道予選で異変が起こりました!!
なんと足寄町の足寄高校が、本戦に出場を決めたのです!!
足寄高校と言えば、かつて西武に所属して二けた勝利もした、三井投手の出身校。
とはいえ、高校野球としては無名に近いほう。
十勝は白樺学園や帯広北、近年は帯広農業などが有力で、帯広勢とその他の十勝勢では実力差は雲泥の差。というか、士幌や本別とかは部員が少なくて、「連合野球部」を作ってしまうレベルです。
そんな十勝地区で、なんと「地方」の足寄高校が本選進出を決めた!
これは地方的には大ニュースなのです。
なぜ、そんな無名の田舎高校が、帯広勢に負けずに本戦に出場できたのか?
足寄高校の野球部は、2020年から元日本ハムの池田基樹氏を監督に招聘。
それ以来、メキメキ強くなっていったそうです。
今では池田監督の下で野球をしたい、と選手が集まり、地方高校であるにも関わらず30人くらいの部員が所属している、とのこと!!
これは信じられないよ!
足寄は、はっきり言って田舎ですよ。十勝でも端っこの方にある。帯広からも近いとは言い難い。
その街に、30名もの若い選手が集まっている!!
噂レベルでしか聞かないのだけど、やはり指導法が違っているらしい。
これもまた、日本ハムが北海道に移転してきた「効果」の一つ。
やはりプロが間近にあるって、違うんですね。
自分も最近、「元プロ」という方と縁があったりします。
多くは体育会系の方らしく、「迷惑がかかるから」と、多くは語らないし、素晴らしいお話でも「口外しないでほしい」と言われたりする。謙虚と言えば謙虚。
でも、せっかくの経験はもったいないですね。
確かに、一般人が思いつく成績は残せていないかもしれないけど、それでもやはりプロを経験することが北海道の地方に与えられる影響は非常に大きいと思う。
それに「元プロ」とお話ししていると、彼らは筋肉や栄養などの知識が豊富。
医療系の授業の理解がしやすいのではないか、と思ったりする。
引退したから、今は離れているから、といって、その経験と知識を埋もれさせるのはもったいない。
これから野球に限らず、サッカーやバスケでも「元プロ」という方が多くなると思います。
皆さんの経験を必要としている地方が数多くある!と断言できます。