先日、今年の都道府県魅力度ランキングが発表されました。
その下位のランキングで、今年は騒動となりました。
昨年よりも順位を4つ下げた群馬県の知事は、法的措置という言葉を使ってまでして不快感を表明する事態に。
気持ちはわかりますよね。
親しい間柄にある人同士なら、「田舎ジョーク」というのがあり、会話の一つにもなりますが、あからさまに順位付けしてしまうのは違うような気がします。
「下位になったら逆にオイシイ」というのは、最近、問題になっている「イジリ芸」に近いかもしれない。
北海道だって、偉そうなことを言えるかどうか。
数年連続1位というけれど、全国の皆さんにとっての「北海道」のイメージって、札幌、函館、美瑛・富良野くらいなものなのでは?
京都も寺社仏閣などの「和風の景色」のイメージが強くて選ばれていると思います。まあ、その幻想は京都駅で壊されますが。メチャクチャ近代的やん!
そういう意味では、全国民のイメージと実際が一致しているのは沖縄だけなのではないでしょうか?
そして、「下位イメージ」の影響は、他の地方に住んでいる人が思っている以上に大きく、後を引く可能性があります。
かつて北海道がキャッチフレーズを公募したことがあります。
その時に選ばれたのが「試される大地」。
なんじゃそりゃ、って。どう受け止めたらいいんだか。何を試されるの?
このキャッチフレーズが選ばれたとき、道内でも話題になっていましてね。ラジオでも「賛成派」と「反対派」が意見をぶつけ合っていました。その時のパーソナリティだった「あのチーム」のメンバーさんが、「確かに後ろ向きなイメージがあるけど、むしろこれをプラスと捉えて、「やってやるぞ!」という前向きな気持ちに変えて頑張ろう!」的なことを語っていました。
なんでそんなスポ根みたいなことを、宣伝文句に使わなきゃいけないんだ?っての。
全国にアピールするなら「自然がいっぱい!」とか「美味しいものを食べに来て!」でいいじゃん。
誰がそんな他人の「俺たちは頑張っているんだ!」というアピールを見たがるんだ、と。そんなの自分たちだけでやってりゃいいじゃん、と思われるのが関の山。
「よし、北海道は頑張っているから、俺たちも応援しに行こう!」ってなりますか?
癒しとか休暇に来るのに、なんで逆に気合を入れて応援しに行かなきゃならないんだ?!
これはもう自虐を通り越して「自罰」ですよね。
公募なので、これを考えた人は何も悪くないです。その人なりの考えがあったのでしょう。問題は、選んだ人。仮にも「観光誘致」という目的があったのに、なぜこれを選んだのか。
で、この「試される大地」は、いまだにネット上で「北海道ネタ」として面白がられています。
そう、ネガティブなものは、なかなか消えない。
これを選定した北海道は、もう何年も前にこのキャッチフレーズの使用をやめているのに、いまだに「イメージ」が残ってしまっています。
だから、たとえ他県の人が「ジョーク」と思っていても、いつの間にか全国民の意識に「下位の県」という意識が刷り込まれてしまわないか、心配です。
群馬県の知事が怒るのも、わかってしまいます。