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ロシア軍の北方領土駐留をアホ真面目に妄想してみる(2021年9月12日掲載)

 ロシア人亡命問題の余韻が冷めやらぬ中、当ブログで管理人が開陳した妄想話。

 

 果たして、国後島からのロシアの侵攻があり得るのか?

 

 ウクライナ侵攻前の日本では、それなりに緊張感のある問題でした。

 

 しかし、2年後の現在、一つの答えがでたような・・・・。それは最後の最後でお話ししましょう。

 

 

 

 ここから。

 

 

 

 

こんにちは。ロシア語もわからない癖にロシアウォッチャーを自称している管理人が運営している当ブログへようこそ!

 

 

 最近、世間では俄然、ロシアづいてきてますね!

 

 なんかロシアが注目を集めているような感じがします。

 

 ロシア人「亡命希望者」のニュース以来、極東フォーラムや北方領土経済特区を設けるなど、ロシアが活発になっていますね!

 

 昨日も以下のニュースが!!

 

 

 

防衛省は12日、北海道知床岬沖でロシアの航空機An26が2回、領空侵犯したと発表した。 領空侵犯は昨年10月にロシアのMi8ヘリが同じ知床岬沖を飛んで以来。民間機の可能性もあり、同省が飛行の意図などを分析している。  航空自衛隊戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応。通告や警告を実施したが、午前9時37分ごろと同58分ごろの2回、領空を侵犯した。An26は主に輸送に使われることが多いという。 」

 

 

 

 まあ、こういう領空侵犯とか、自衛隊の施設を狙った飛行などは、冷戦期からちょくちょくニュースになっていた、というのが実際なので、だからすぐに大規模侵攻が行われる、とは考えずらいですね。とはいえ、「いつものことだから大丈夫!」ってことでは決してないのだけどね。

 

 さて、なかなか活発な動きを見せるロシアですが、じゃあロシアにとって北方領土駐留は価値があるのか?についてアホ真面目に妄想しようと思います。

 

 正直言ってね、ロシアにとっても北方領土に大軍を駐留させるのって、現実的ではないのですよ。

 

 以前の記事で書いたのだけど、ロシアは領土は広いけれど人口は日本と同じで、しかも大部分はモスクワ近郊の「欧州側」に偏在しているため、極東地域は「超過疎地帯」なわけですよ。極東で100万人を超える都市はありません。

 

 その上、気候も厳しく、農耕可能な土地も少ない。

 しかも冬はオホーツク海は流氷に閉ざされるので、北方領土は本土とは一年を通して安定して交通できるわけではない。サハリンから北方領土に船の定期便が出ていますが、なんと半日くらいかかるらしい。カムチャッカ半島経由だとあまりにも遠く、カムチャッカ半島自体も険しい地形なので人が定住するのが困難。

 

 つまり北方領土に大軍を駐留させても食料供給にコストがかかってしまう、と。北方領土には現地調達できるほどの農業生産は期待できません。

 

 グーグルアースでまず北海道を見てください。そのあと国後島択捉島などを見てみてください。

 

 北海道では大地を拡大してみると、直線がいくつも走り、格子状に分けられた畑などの耕作地が広がっているのがわかりますね。

 ではそのまま、国後島択捉島を見てください。

 北海道とは対照的に、耕作地が見られない。

 農業生産力が低いことが想像されます。

 

 北海道の「開拓の歴史」というと、何を想像しますか?

 

 「開拓」という言葉から、いかにも木を切り倒して地面を平らにする、というイメージがあると思いますが、北海道の開拓の際に最も大変だったのは、湿地の干拓です。

 

 北海道は日本の湿地・湿原の8割を占めるほど、もともと湿地ばかりの島だったのです。湿原は炭素を固定するので、周辺地域は「泥炭地」とも呼ばれます。で、文字の中に「炭」という字がありますね。まさに炭みたいな土地だったそうで、火をつけたら燃えるような土地もあったそうです。

 

 日本一の農業地帯である十勝も、実は一面の湿地で、長い期間にもわたって干拓が行われ、土地の改良が繰り返されたことで、ようやく農業地域となったのです。

 

 「環オホーツク海」という点で北海道と共通している北方四島にも湿地が多いらしい。正直、ここを農業可能地域にするには莫大な予算や労力が必要と思われます。

 

 しかも北海道の開拓は、将来の日本の食料供給を見据えて行われ、実際に「本土」が近くにあるために生産物を日本各地に運んで売買することができますが、北方四島で農業を行ったところで余剰品を作っても島からの輸送費がバカにならず、島民の自給用の食料生産だけでは、採算面からも農業に投資する価値が低い。

 

 まあ、つまり、ロシアも北方領土で大軍を運営できるほどの力はない、と。

 

 ましてや今、モスクワの「喉元」ともいえるクリミア半島で火種を抱えている。

 ロシアにとってはクリミア半島の方がよっぽど大事で、黒海という多くの国が接する海にある要衝な上に、コーカサス地方というロシアにとっての地雷原に近接しています。

 

 この状況で、今のロシアには極東地域に兵力を割く余裕はないと思われます。そして経済的価値もない。

 

 結局、北方領土はロシアにとって軍事的には重要なものの、北方領土を含めた極東地域の統治は、ロシア自身も持てあましているのではないでしょうか?

 

 北方領土経済特区を設けたのも、結局のところ、自国通貨を供給するのが困難なために他国の資本で穴埋めしようとしているように思えます。

 

 わかりやすい例として、北海道の赤字路線があります。経済的に黒字になっていない、と東京の方は思うかもしれませんが、ロシア、いやモスクワにとっては北方領土は、東京から見た北海道の鉄道以上に島自体が「赤字垂れ流し」な状況にあるわけです。

 

 そして北方領土の産業の多くを、北海道への海産物の売買が占めている。

 

 

 そう、ロシアも北方領土や極東統治に日本を必要としているわけです。

 

 じゃあ、上手く話し合いもできそうなものですが、日本はソ連崩壊時の数々のチャンスに原則を通してフイにしてしまったし、ロシアもプーチン大統領では画期的な「妥協」を望めるわけがなく。

 

 今やお互いに「原則」と「建前」だけになっているだけのようにも思えます。

 

 

 

2024年3月2日追記

 

 ロシアが長大な国境線を持っているのは御存じの通り。

 

 そしてこの記事が掲載された2021年当時、ロシアの抱えていた「国境リスク」は、NATOに接近しつつあったバルト3国や東欧諸国と、南部のコーカサス諸国の紛争と、ウクライナ政権交代

 

 バルト3国については、正直言って、プーチン大統領がそこまで根に持っていたとは思わなかった。これは正反対の極東にある日本にいるからか?

 

 南部コーカサスも微妙なところで、ロシアを手こずらせてきた地域。

 エリツィン後の混乱のロシアを継承したプーチン大統領は、火薬庫と化していた南部ロシアの平定に乗り出します。泥沼となっていたチェチェンを制圧したのをはじめ、分割して、軍事侵攻して、ロシア領土に組み込む、という手法で、着実に南部を「鎮火」させてきました。そしてその先にあるコーカサス諸国も、軍事力を背景として「終戦」させます。コーカサス諸国の南部にはトルコ、イラン、イラク、アフガンそして中東と、イスラム諸国がひしめいています。なんとか緩衝地帯を設けたかったのかと思われます。なぜ、シリアに介入したか、もわかりますね。

 日本は周囲を海に取り囲まれているため、陸地で接する「隣国」を持ちません。そのため隣国の政治体制が変わっても、自国が影響を受けるまでには至らない。

 国境を持つ国が、他国の政治動向に必死になることを理解できないのかもしれないですね。

 で、崩壊時からロシアに注目してきた身としては、今回のウクライナ侵攻でも、「ウクライナ国内のロシア人が迫害されている!」と喧伝し、「独立を支持する!」として「分割」し、軍事力を投入してロシア領土化する、という、この20年間でプーチン大統領が行ってきた「パターン」そのまま見させられている、という感想を持っています。

 

 東欧へのNATOの接近、コーカサス諸国、ウクライナ問題。

 

 そりゃとてもじゃないけど、北方領土なんて構ってられないね。

 「どうせ9条があるから日本は動けないだろう」と思われていた、いや今も思われていることでしょう。そしてそれが正しいのがまたなんとも・・・・。

 

 もし、NATOウクライナコーカサス諸国と連動して交渉していたら、北方領土に関して具体的な「落としどころ」を引き出せたかもしれませんね。

 

 まあ、妄想ですけど。