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ドラマ「ザ・クラウン」を日本の視点から見てみると その1

 今や管理人のメインチャンネルとなっているネットフリックス。

 

 特に中古車を安く買ってきて、それを修理して高く売りつける番組。

 

 アメリカって、ああいうことでビジネスが成り立つんですね。日本でもそうなのかな?

 

 日本は家でも車でも「新品」が優先されるイメージがある。アメリカでは家も高く売ることができるらしい。ビジネス大国とはよく言ったもの。

 

 そのネットフリックスの中でも、国際的に人気というのがイギリスの前王女であるエリザベス女王を描いた「ザ・クラウン」。

 

 なかなか(他の番組を見るのに)忙しくて見る暇がなかったのだけど、最近、ようやく見始めました。

 

 これが非常に面白い!シーズン2まで見たけど、見ごたえのある作品と言えます。

 

 もちろん歴史ドラマである以上、フィクションであることには違いないし、日本語吹き替えだし、日本と海外ではドラマの作り方も違うのだろうから、単純な比較はできないと思いますが、久しぶりに重厚な「歴史ドラマ」を見たと感じました。

 

 大河ドラマに期待をしなくなって、どのくらい経ったのだろうか?

 

 かつて大河ドラマは「難しい」と言われたものだけど、セリフや考証などに細かい配慮があった。「時代考証」とは、セットや衣装が当時のモノと同じ、というだけではなく、身分の違いによるふるまい方や言葉遣いにいたるまで。

 それが「若い世代を取り込む」と称して軟派な路線へと変更。

 その結果、若いお姫様が藩の堅物を説得しただけで方針が変わってしまったり、10歳くらいの少女が清須会議で秀吉にお説教をかましたり、戦国随一の智将の前に主人公の幼馴染の女性が酔っぱらって登場したり、とおかしな方向へと進んでしまいました。

 

 平清盛では、幼少の清盛が朝廷内に入ったばかりか、上皇を前に「武士は貴族の犬じゃない!」的なことを叫ぶ、という、当時の歴史状況を分かっていないであろう、ありえない行動まで描かれていましたからね。

 なんかね、近代の階級闘争を当てはめちゃったというか、「ブルジョアVSプロレタリア」的な視点を盛り込んじゃったというか。「それ、脚本家さんが若いころにやった運動だろ」と興ざめしてしまって。

 

 ストレートに言うと、近年の大河ドラマの「若者路線」は、「わかりやすくしている」を通り越して、もはや「馬鹿にしている」ように思える。

 

 そういう点で言って、来年の大河ドラマには一抹の不安を感じています。女性が主人公ということで、「幕末男子の育て方」みたいなフレーズで宣伝されるのではないか、と。

 

 そう、女性が主役というだけで、ありえないくらいに柔らかすぎると予想してしまう。もちろん、歴史ドラマに作り方はないのだけど、大河ドラマに求めているのは硬派な内容。

 

 じゃあ、女性が主人公の場合、どうしても軟派な路線になってしまうのか?という、日本の大河ドラマファンに対し、「ザ・クラウン」は明確に「ノー」と断言しています。

 

 女性が主役ながらも歴史事情が続き、視聴者にも「周辺知識」の予習や復習を求めてきますし(もちろん、知らなくても面白い)、「女王」もしくは「王室」を描いている以上、「古臭い」とされるしきたりも、「面倒くさい」とされるふるまい一つも、可能な限り配慮されているし、なによりも「男女平等」な内容ではない。

 

 多くのドラマでは女性が主役と言うだけで、「女尊男卑」なほどに男が情けなく描かれることが多いですが、「ザ・クラウン」ではむしろ、女性が国王になってしまったことの葛藤を隠すことなく描いている。

 

 これはデンマークのドラマ「コペンハーゲン 首相の決断」という、誰がこんなダサい邦題を考えたんだ!と、デンマークの人に対して見ている日本人が申し訳なく感じてしまうドラマでも、同じ。

 このドラマでは、デンマーク初の女性首相が主人公なのだけど、女性・妻・母親であることを否定していない。そう、女性初の立場ではあっても、極端なフェミニストとしては描かれていません。

 

 欧米の女性が主役のドラマ、というだけで、スローガンが繰り返されて、男は説教されるだけのように思えてしまうけど、そんなことはなかったし、むしろ主人公の女性が積極的に「女性」の部分を出して局面を乗り切る場面があったりする。

 

 「ザ・クラウン」でも、主人公のエリザベス女王は問題に直面しても、「女性だから」と下駄をはかせてもらったような設定で解決!なんてことはなく、どこまでも女王に決断を強いてきますし、女王の答えも女性の視聴者が「スカッ」とするようなものではありません。

 なんせ夫のフィリップ王配からして、英国国民には失礼な物言いながら、なかなかのくずっぷりを発揮して、女王の悩みの種になってますからね。

 

 女性が主役、ということの上に、このドラマにはさらに難しい問題がのっかります。

 

 それは「王室を描くこと」であるということ。

 

 これをドラマとして描くことは、イギリスや日本では難しいのでは?少しでも表現を誤れば王室、皇室の品格を落とすこととなり、国民の非難を受ける可能性がある。

 

 このドラマを制作したのは「ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン」。

 

 ソニーだけど、アメリカの制作会社です。

 

 そう、アメリカ視点でイギリス王室が描かれている。

 

 世俗大国のアメリカが、英国王室の品位を保ちつつ、アメリカ的なリアル視点を持てるのか?

 

 また、英国王室と日本の御皇室との違いもわかります。

 先ほど、「フィリップ王配」と書きましたが、この「王配」という存在自体、日本史には存在しません。

 

 では、どこか日本と違っているのか?

 

 

 ・・・・・・って、ここから内容を話していこうと思ったのだけど、長くなったので続く!!