何度も繰り返してしまうけど、管理人がプロ野球観戦に熱中していた小学から高校にかけてまで、北海道はプロ野球とは無縁の場所でした。
プロ野球の試合はすべてブラウン管の中で行われていることであり、プロの選手を間近で見る機会など、滅多になかった。
同じ世界に生きているんだろうか?と思えてくるほど。スタルヒン球場で行われるオリックスーロッテの試合を見に行った友人を羨ましく思ったレベルでしたからね。
それが札幌ドームができて、日本ハムが移転してきた。
当時のプロ野球ファンから見れば、12球団でも人気が下位であった日本ハムが移転したところで、別に何も問題にならなかったのだろうけど、管理人は興奮してね。
ついにプロ野球が北海道で見ることができるぞ!と。
それから随分といいものを見せてもらった。
優勝も見たし、オールスターまで北海道で開催された。ダルビッシュの活躍も稲葉の引退も見届けた。
そして大谷ですよ。
正直言って、ドラフトで日本ハムが大谷を指名したとき、「なんでいつも冒険するんだ?」と、フロントに心底あきれてしまった。前年に菅野でやらかしてるじゃん、ってね。そろそろ手堅いドラフトをやってくれっての。
それでも指名が決まった以上、大谷との交渉の行方が気になったし、イチファンにも関わらず、大谷が北海道にやってきたら、全国からのバッシングから守る!という、「お前が宣言してどーなるんだ」という決意を固めました。
入団が決まったときも、よく日本ハムに入団してくれた、と心底嬉しく思いました。
そこから色んなドラマを見せてくれた。
「ドラマを見せてくれた」なんて、ありがちで気取ったフレーズは使いたくないのだけど、日本ハムで大谷がやったことを表すのに「ドラマ」という言葉以外に適当な言葉があるだろうか?
二刀流。開始5秒で決勝先頭打者ホームランを打ち、完封して勝利、日本人最速165キロ達成。
リーグ優勝も日本一も見せてくれた。
大谷が日本ハムを去るまでの5年間は、出来過ぎたサクセスストーリーを見ていたように思えてくる。
日本でやりつくして、何も残さずに北海道から去って行って、「完結」したと思っていたんですけどね。
彼はいまだに物語を続けている。
しかもアメリカで、やれることを全てやっている。
しかもしかも、アメリカの野球ファンの注目を集めて。
彼方の存在と思っていたMLBのレジェンド選手が、彼に言及しているじゃないか!
あのランディジョンソンが日本人選手について語るなんて、信じられるか?
そして今、大谷に残された最後のタイトルである「ワールドシリーズ優勝」を賭けて戦う権利を得た。
しかも相手はあのニューヨーク・ヤンキース!!
野球のプロリーグがある国なら、誰もが認める世界の野球チームの最高峰の名門。
もう、大谷のストーリーは、どこまでドラマを用意しているんだ?
ヤンキースが怖い、という感覚ではないですね。ワールドシリーズでヤンキースと戦えることに、この上ない名誉を感じてしまう。
WBC決勝で、アメリカと戦うことになったときと似ていますね。
そして道民よ、札幌ドームで見ていたあの「若造」が、メジャーで大スターとなって、あのヤンキースと戦おうとしているんだぞ!
道民だけに許される特別の感慨を持って、ワールドシリーズを観戦しよう!
そして大谷選手に、心からの感謝を。
12年前のあの日、日本ハムへの入団を決めてくれてありがとう!
おかげであの日からの10年間、極上の物語を楽しませてくれた。
いや、まだ続いている!
まさか遥か彼方で行われるワールドシリーズを、「自分ごと」として観戦できる日が来るとは!
これは道民に限らず、日本国民も思うところ。
今年のワールドシリーズは、「憧れの選手が戦う幻の舞台」ではない!
地元の高校野球のチームが、ワールドシリーズ決勝に進んだようなもの。(いやほんと)
みんなで、大谷の物語が完結することを祈ろうではないですか!
ヤンキースとワールドシリーズで戦うことを、WBCでアメリカと戦うことと同じ、と書きました。
あのWBC決勝で、大谷は何と言ったのか?
「今日一日だけ、憧れるのは止めましょう」
観戦する側も、ワールドシリーズの間は、憧れるのをやめてドジャースを応援しよう!
ドジャースの選手の皆さん、ファンの皆さん、大谷の目標である「ワールドチャンピオン」は道民の夢、日本人の夢でもあります。
ドジャースの選手やファンの名誉を得るためが最優先ですが、日本人が最高の夢の結末を見ることに協力してください!
ドジャース頑張れ!!
追記
アメリカにいたら気づかないけど、大谷のニュースの影響で、ドジャースの選手は日本でもかなり有名になっている。ベッツ選手なんて、日本人の選手よりも知名度が高いスター並み。