この東京五輪において、日本勢が多くのメダルを獲得していますが、その勢いをつけたのはソフトボールの劇的展開であり、そして何よりも柔道での連日の金メダル獲得です。
「お家芸」とはいえ、やはりオリンピックでのメダル獲得は素晴らしいですね!
東京五輪の前半を大いに盛り上げた柔道ですが、最終日の団体ではフランスに敗れ、銀メダル。
五輪での優勝を目指してきた選手、「柔道発祥の地」という誇りを持つ柔道関係者の方々からは、金メダルと言う結果を逃してしまった悔しさを感じます。
それは一夜明けた新聞などのマスコミ報道などからも伝わります。
そして1964年の、東京オリンピックの超級にて、ヘーシングに敗れたことが挙げられ、「悲劇再び」という論調で語られることが多いように思います。
日本の国技の柔道が世界大会にて初の正式種目となった「1964」では、確かに日本の独壇場になるはずだったのかもしれません。それが思わぬ敗戦を喫してしまったために、国民のショックも大きかったのだと思います。
しかし、57年後の2021年において、もはや柔道は世界中に普及しています。
時代が変わり、もはや「独壇場」ではなくなったのです。
今回の決勝の相手フランスの選手を見ましたか?失礼な表現かもしれないけど、黒人女性が出場して日本選手に勝利していました。
まさに柔道が国や人種を超えて普及したことの証明。
1964年に東京から発信した国技が、世界の「一般的な」スポーツの一つとなって、2021年の東京に戻ってきた。
1964年以降も全く普及せず、ひたすら日本だけが熱心だった、というわけではなく、2021年に「発祥国」の誇りをも揺るがす多くのライバル国が出てきたことこそ、57年前の日本人が発したことの「成果」なのではないでしょうか?
柔道を世界に広める目的で1964大会で正式種目にしたというのなら、2021年に「成功」を確認できたといえると思います。
そう、僕ら21世紀の日本人は、57年前の日本人が未来へ発したメッセージを受け取っているんです。
今回の銀メダルは、57年前と同じ悲劇、などではありません。
むしろ57年前に日本人が発したメッセージが、形となって帰ってきたのでした。
柔道の選手の皆さん、57年前には存在しなかった「世界のライバル」を相手に、本当にお疲れさまでした。
そして、57年前の日本人に報告しましょう。
1964年東京大会は大成功でしたよ!