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アニメファンについての本音

 なんだかんだ言って、ネットに文章を晒すようになって10年を超える年月が過ぎていました。

 
 この間、ひたすら内容の薄いものばかりを書いてきましたが、それでも自分の文章に込めた真意と違う受け取り方をされてしまう場合も多々ありました。「そういうつもりではありませんでした」と。

 

 それは受け取る側が悪いとは思えません。「明らかに揚げ足取りだろう」というケースもあるのですが、中には読み返してみると「確かにこう取られても仕方ない」場合も多くあります。それは受け取る側の勘違い、ではなく、そういう感想を抱かせてしまった書き手の問題と思います。

 

 先日、「アニメファンじゃないけど、AKIRAについて語ってみる」という記事を掲載しましたが、この内容では現在のアニメファンの方を蔑んでいると思われても仕方ないと思われます。

 

 しかし実際には、自分自身、40歳を超えても漫画を読んでいますし、ネットフリックスなどのアニメも見ています。「極主夫道」や「入間くん」などといったマンガを職場の待合室向けに購入したのですが、これもネットフリックスなどで、暇なときに目にして面白かったからです。

 

 本音を言うと、シンエヴァンゲリオンだって2回見ています(爆笑)。

 なので、文章にあるようなアニメに対する偏見を持っているわけではありません。

 

 でも、文章の掲載を取りやめて「無かったこと」にすると、返って違う疑念を持たれてしまうかもしれない。

 

 そのため、掲載を止める、ではなく、新たに自分の真意を説明する文章を掲載してみようと思います。

 

 

 まず、最初に自分のアニメに対する考えですが、

 

 概ねあの記事の内容とあっています(苦笑)。

 

 世間のアニメに対する偏見と同じように、自分も見ていました。

 

 自分の幼少期なんて、アニメは全て子供向けのものばっかり。

 

 それこそ「ボルテスファイブ」とか、「ライディーン」なんかの時代ですよ。必殺技をやるのにわざわざロボットの中で、大きく身振り手振りしていました。それが格好いいんだけど。

 また、同世代の北海道の出身者ならわかると思うけど、昔は夕方五時には「どさんこワイド」なんてやってなくて、「トムとジェリー」と「アーノルド坊やは人気者」の再放送が繰り返されていましたし。トムとジェリーの合間に「ルパン三世」や、たまにシティーハンターが放送されたり。

 

 でも、周囲のみんなはある時期になると、「アニメから卒業」していました。

 

 それが普通だったんですよね。自分もアニメを離れ、当時、世間に出始めたばかりだったファミコンやゲームにはまっていきました。まあ、それも「アレ」だけどね。

 

 当時の世間には「アニメは子供が見るもの」という固定観念がしっかり根付いていました。でも、これはアニメに限った話ではないんですよ。アイドルだってそうです。

 当時のアイドルは20歳を超えると、まるで賞味期限を失ったかのように人気が急落し、さらにその下の世代に人気が移っていきました。男闘呼組なんて自分の中では典型例で、彼らを最後にテレビで見たのは「男闘呼組、成人式に出席!」というワイドショーのニュースでした。

 そう、アイドルも中学生、高校生がハマるもの、って感じ。

 それを変えたのがスマップですよ。スマップが大人気になると、なんと女子大生以上の、当時の言い方で言えば「いい年した大人」が、新しくファンになる現象がおこりまして。

 そして、20歳を境に縮小していたアイドル活動が、むしろ20歳を超えても継続されている!で、そこからは御存じの通りの国民的人気になっていきました。

 今は違うと思うけど、自分の中ではいまだに「30歳を超えてもアイドル」っていうのは違和感があるんですよね。もちろん、これは古い価値観です。

 

 マンガもそうですね。社会に出たらマンガを読まずに活字を読まなければならない、みたいな空気がありましたが、自分の時代くらいから、スーツを着た社会人が電車内でジャンプを読むことが世間で問題視されました。

 いまじゃいたって「フツー」のことだけど、昔は「日本人がバカになっていく」と揶揄されたもんです。

 

 

 とにかく、自分の幼少のころまでは、世間に「子供の見るもの」というのがあり、ある年齢になると強制的に卒業しなければならない、みたいな空気がありました。

 

 で、話をアニメに戻しますと、自分の小学校高学年くらいから、世間に「不穏な空気」が流れ初めまして。

 その頃から「大学生がアニメにハマる」というおかしな現象が指摘され始めていました。

 そして、明らかに子供向けではない分野のアニメも放送され始めたのですよ。

 

 自分が印象に残っているのは、「ダーティペア」というアニメ。

 

 それまでロボットアニメや「オタスケマン」「ムテキング」みたいなものばかりを見ていた自分にとって、なんじゃこりゃ?となった作品。

 

 まず主人公は女性の二人組。これは別におかしくありません。女の子が主役のアニメもたくさんありましたから。でも、女の子が主役の場合は内容もある程度きまっていました。つまり「魔法少女モノ」だったり、「キャンディキャンディ」のような少女アニメだったり。

 

 ところがこのダーティペアはアクションアニメ。女性二人組は格闘するわ銃をぶっ放すわで、それまでの「常識」とはかなりかけ離れていたんですよ。衣装も「女の子が見てカワイイと感じるもの」というものではなく、明らかに水着みたいな(当時の感想)、肌見えてんじゃん!という格好。

 今から見れば大した「露出」でもないんだけど、当時は「いかがわしい」レベルのもの。もちろん、当時にもアイドルの水着などはあったのだけど、アニメではそこまではなく。せいぜいが「しずかちゃんの入浴シーン」くらいなもの。「マチコ先生」レベルでPTAの批判の対象になりましたからね。

 

 ダーティペアは会話内容も、なんだか大人な感じなんですよね。

 まだ物心ついていなかった自分はこのアニメをみて、「つまんない」と思っていました。

 つーか、「エロアニメ」という位置づけ。

 もっと言えば、「アニメでエロをやる」というのが理解できない、というか。

 そんなわけで、自分にとってはこの作品は「近づいてはいけないもの」であったし、それ以来、アニメに近寄りがたい怪しさを感じ始めました。

 

しかし!親戚の大学生の兄ちゃんが、このアニメにハマっているとのこと!

 親戚中から「アンタ、いい年して」と言われていたらしいですが、大学では流行っている、とのこと。

 自分はまず、「え?大学生でアニメを見てんの?」と驚き、「こんなアニメ見てんの?」でまた驚きました。

 

 で、自分の認識では、このダーティペアのころから、アニメが「おかしく」なっていった。

 まずは「マクロス」ですよ。

 バルキリーという、それまでのロボットアニメでは想像もつかないほど格好いいロボットが登場し、しかも迫力がある!

 しかし!なんとアニメの中で恋愛している!しかもなんか二股に近いことをやっている!

 そのあたりの描写になると、小学生男子もしくは中学生男子なんて、まだ同年代の女子に比べて圧倒的にバカだから、わかるはずもなく。

 ますます近寄りがたくなっていきました。

 

 そう、ここくらいから、自分の認識ではアニメが「ロボット」、「エロ」、「SF」を中心に、ディープな方向に行きだしたように思いました。

 

 最近、ケーブルテレビで「パトレイバー」が無料でやっていたから見たけど、当時は「パトレイバー」は、まさにオタク文化の中心、って感じ。

 パトレイバーって、セリフとか設定が、なんとなく「リアル」でしょ?

 それが理解できない。だってアニメなのに!

 何度も言いますが、それまでのアニメは「闘将ダイモス」とかですから。熱血主人公が叫ぶと海が割れてロボットがやってくる、というのがフツーでしたから。

 ロボットも秘密基地も、どんだけ金かけたんだよ、ってくらいのレベル。

 しかしこのパトレイバーでは、なんだかみみっちい話をしている!

 

 また、NHKでも変化がありまして。

 

 「シンエヴァンゲリオン」の公開で、庵野監督作品として話題に取り上げられる「不思議の海のナディア」ですが、これも「状況の変化」を感じさせました。

 

 今のエヴァンゲリオンファンとか、アニメファンから見れば「作風が出ているなあ」と思うかもしれないけど、あれが放送されたのって、結構、センセーショナルだったんですよ。

 

 だって、あの「不思議の海のナディア」が放送されていた金曜の夜って、それまで「子鹿物語」とか「名犬ジョリイ」などといった、子供と動物がメインの「子供向けほのぼのアニメ」が放送されていた時間帯で、「親子で楽しめる作品」、「大人が安心して見せることができる」とされていたので。

 

 そんな時間帯に、いきなりSFチックな作品が放送されましたからね。

 

 で、その時くらいから、アニメが「マニアックな人気」を得るようになった、というか。アニメのヒットで、子供向けの玩具が売れる、ということはそれまでもあったんですよ。魔法少女モノなら、小さい女の子向けの「魔法少女変身ステッキ」みたいな、かわいらしい感じ。

 

 ところが「不思議の海のナディア」から、子供向けの玩具ではないもの、が売れ始めたのですよ。今では当たり前になっているかもしれないけど、マニア向けのアニメグッズが登場し、声優も注目され始めた。

 

 ダーティペアにしろ、それまでは大学生などの間で「ひっそりと」進行していたアニメブームが、この辺りから世に出始めた、というか。ついに出ちゃった、というか。

 

 で、トドメとなったのが「セーラームーン」です。

 

 え?ただの少女アニメじゃん、って思う人ばかりだと思う。

 確かに「闘将ダイモス」の時代までなら、「少女アニメ」だし、ファンも少女ばかりだったと思う。

 

 しかし、「セーラームーン」から、「男の大きいお友達」にファンができ始めた!しかも隠すことなく公言し始めた!

 このころから、「セーラームーンの映画を大学生くらいの男が一人で見に行く」という現象が起こり始めました。

 

 いまだって、プリキュアを上映している映画館に成人男性がいるとネタにされると思うけど、当時はそれ以上。もはや異常者扱いですよ。

 

 参考例 They're people of the world, please see a Japanese Precure fan!

もう後戻りできないタンバリン奏者がテレビアニメふたりはプリキュアオープニングテーマ「DANZEN! ふたりはプリキュア」を全てを曝け出して叩きました #ガチタンバリン #タンバリン - YouTube

 

 そしてこのくらいに「アキラ」も世に出て。

 

 

 この時まで、アニメが世界で通用するなんて思っている日本人はいなかったと思う。むしろ「表に出しちゃいけないもの」くらいに思われていたと思う。

 歌舞伎とか、京都の寺社仏閣とか浮世絵とか、そっちの方を見てくれ、と。

 そうやって「自慢できるもの」に注目を集めさせる一方で、ニートの息子を隠すようにアニメ文化も大っぴらならないようにしていた、というか。

 

 あの頃の日本が世界に誇るものって、それこそ「エビフリャ、サムライ、スシ、ゲイシャ、フジヤマ」くらいだったような。

 

 だって、「セーラームーン」が世界で受けると思う?

 

 そう、この「セーラー服」というのも、この時期すっかり「オタク文化」のメインになってしまって。

 なんか知らないけど、当時のアニメファン(いい年した大人の男)は、セーラー服や女子高生、美少女に注目したのですよ。セーラー服を着た女子高生にバズーカを持たせて打ちまくる、とか。

 なんでセーラー服なのか?当時はわかりませんでした。

 また、なんで美少女なのか?

 

 今語っているアニメはほんの一部で、「OVA」と呼ばれる、テレビ放送に関係のないオリジナルアニメの手法が定着してからは、マニアック路線に拍車がかかり、混とんとした状況となっていました。

 

 でも、アニメファンはどう思っていたかわからないけど、少なくとも世間では、アニメは内向きの文化で、絶対に世界では受けない、と思っていました。

 「セーラームーン」を例に出したけど、無名で、もっと陰鬱な内容のSF作品、ファンタジー作品も多くありました。いや、そっちの方がメインだったのかも。

 

 エヴァンゲリオンみたいな内容の、作者にしか意味がわかんないだろう、って作品が無数にありました。(感覚で語っています)

 

 しかも例の「連続幼女誘拐事件」で、さらにイメージが悪化していたし。

 

 

 

 しかし、そこでAKIRAが国際的に評価され始めたんです。

 

 しかも、それが端緒となって他のアニメも海外で人気なことがわかり、ドラえもんまで放送されていた事実も判明。キャプテン翼が欧州のトップ選手に影響を与えたなんて考えつきませんでした。

 

 そしてフィギュアの選手が「セーラームーン」のファンだ!と。

 

 おいおい、セーラームーンまで世界で通用しちゃうの?と。

 

 「大きい男のお友達」の印象が強いセーラームーンが、世界で認められている!

 

 

 で、この時くらいから、ほんと「手の平を返す」って言葉がしっくりくるほど、世間の評価が変わり始めた。

 

 恥ずかしながら自分もそうです。

 

 

 長々と書いてきたけど、自分もそういう世間の見方に合わせてきました。

 

 今はもう、アニメファンに偏見はありません。(意識していないところで出ているかもしれないけど)

 

 むしろ、ありがたいとも思っているわけで。

 

 誘拐事件のあと、アニメを中心として、他の趣味も日陰の扱いをされまして。

 鉄道ファンだった自分も、なぜだか隠していました。

 

 しかしアニメが認められ、またアニメファンがアニメの価値を語ることアニメだけでなく、他の趣味も復権できたように思います。

 

 自分はアニメファンではないけども、深い趣味を持っている、という点では共通すると思っています。

 

 自分の周囲にもアニメや漫画ファンの人がたくさんいるので、そういう人たちに不快な思いをさせてしまっていたのなら、謝罪しないといけない、と勝手に思った次第。

 

 で、エヴァンゲリオンについて話すと、友人にファンがいて、「最終回が衝撃的だった」とのこと。で見せてもらったら、なんじゃこりゃ!となりまして、それでテレビシリーズを2周見たのに、全くわからず。映画館にも見に行ってもわからず。

 関連の書籍なんかを買ってもわからず。ひと夏の間、当時の友人とずっと、エヴァンゲリオンについて語っていた(というほど真面目でもなかったけど)んですよね。20歳くらいの大学生の夏でした。

 

 なので、妙に思い出がありまして。別に完結を見たかったわけではないのだけど、あの暇な時間をエヴァンゲリオンで費やした、意味があるのかないのかわからないけど、なんだか楽しかった夏を思い出してしまい、シンエヴァンゲリオンを2回も見ました(爆笑)。

 

 エヴァンゲリオンって、内容が明るいか暗いかに関わらず、OVAで好き勝手に作られていたアンダーな文化が、表に出てしまった、という感じを持っています。

 

 今って、自分のような人間はともかく、アニメファンであっても「伏線回収」とか、「設定」とかがキチンとしていないと納得できないみたいですね。

 でも、昔はもっと混とんとしていたよ、アニメって。