いよいよ夏休みが間近に迫ってまいりました!!
みんな、「意識の高そうな予定」をやっているか?
「意識高い系の同志たちとのキャンプや旅行」「意識高い系の同志たちとのサマーミーティング」など、意識高い系のメインストリームと言える「出会い」を厳しく禁じられている現在において、意識高い系の選択肢も狭まってしまっている。
しかし!
人と会わなければ意識高い系を実践することができない、などということはない!
スティーブ・ジョブスやアマゾンのCEO(意味が分からないけどアメリカの偉い人な感じがする)など、カリスマたちの著作を読んで自己啓発に努めてほしい。
また、映画評論家という人たちがお勧めする「名画」を見まくるのもいい。「戦争と平和」とか、「惑星ソラリス」、「未来世紀ブラジル」、その他のアカデミー賞作品など、意識高い系の映画批評サイトでは必ず紹介される素晴らしい作品に触れることで、カメラワークの良しあし、脚本の功罪、考証や小道具の精巧さ、キャスティングやプロモーションの可否などを、一度も映画を撮ったこともないのに語ることができるようになる。
ただ、一部の意識高い系の人は思うかもしれない。
「自己啓発系ばかりに触れていて、本当に正しいのか?」と。
負けるな!負けてはいけない!それは意識低い系からの誘惑だ!
ダークサイドに落ちてはいけない!
意識高い系を実践する者たちは、決して意識低い系に視野を落としてはいけないのだ!
ここで、意識高い系の諸君が決して触れてはいけない「意識の低い映画」を挙げておく。これらの映画は総じて意識が低く、SDGズとも無縁であり、起業精神も育たないため、時間の無駄である。
絶対に見てはいけないので、ここで警告しておく
1,ウォーターワールド
主演映画「ボディーガード」が記録的大ヒットとなり、名作「ダンスウィズウルブス」にてアカデミー賞を独占し、監督、俳優の両方でハリウッドの頂点に立ったケビンコスナーが、次の監督作品に選んだのは、なんと近未来SFアクション映画だった!
しかもハリウッドナンバーワンのお金持ちとなっていた彼は、この映画に当時の最高記録となる製作費を投入する!(実際には不運続きで出費が重なってしまったらしい)
そこまでしてできた映画だけに世界からは、ターミネーター2やスターウォーズ級の大作となるだろうと期待されていたのに、出来上がったのは非常に典型的なB級映画であったのだ!
ただ、B級映画マニアの管理人は擁護したい。「あの」ケビンコスナーの大成功直後の最新作ということで、事前に過大な注目を集めてしまったがために「がっかり評価」もかつてないほどになり、「失敗作」とされているが、上述のようにB級映画としては、なかなか優れている作品なのだ!また、セットはかなり力が入っている。
意識高い系の人がこの作品を見る際には、B級映画の基本は「ストーリーなんてどうでもいい」「雰囲気を味わうことが大事」であることを肝に銘じてほしい。
この作品に懲りて、ケビンコスナーも反省し、次は「ダンス・ウィズ・ウルブス」や「フィールドオブドリームス」のような落ち着いた映画に戻るかと思いきや!
なんとさらに下を行く近未来SF作品「ポストマン」を世に発表してしまう!
ウィーターワールドは、なんだかんだいって悪くない作品で、失敗と言うにはかわいそうな面もあったのだが、このポストマンは満場一致の大失敗作となり、本場アメリカにおいても「20世紀を代表するダメ作品」に認定されている。
言っとくけど、B級映画は「ダメな作品」ではない。「非常に粗削り」であり「荒唐無稽」だけど、ついつい見てしまう程度には面白いし、無駄な時間を過ごした、とは思わせない。
まあ、意識高い系に強いていうならば、ボディーガード、ダンスウィズウルブスからのポストマンまでの凋落の過程を、「なぜ彼は失敗したのか?」と言う視点で調べてみると面白いかもね。
「ゾンビ」と言う設定自体がB級だし、ショッピングモールなどの狭いところに立てこもるというのもB級の王道だ。
そのゾンビ映画を世に生み出したのは、ゾンビ映画の永遠の巨匠ジョージ・ロメロ。
彼は世に「ゾンビ映画」という新たなジャンルを作り出した!
そのゾンビの父であるジョージ・ロメロは、彼の作品の中でゾンビファンの中で「ゾンビ三原則」として知られるルールを徹底して守り通していた。
ゾンビ三原則とは、すなわち
1,走らない
2,頭を攻撃しないと死なない
3,噛まれたら感染する
の3つ。
今回、2番目にあげた「ドーン・オブ・ザ・デッド」はロメロ作品を別の監督が撮影したリメイク作品であるが、ついに3原則が破られてしまった!
この作品では、ゾンビが全力で走っているのだ!!
「ゾンビは歩かなければならない」という、ロメロによる「戒律」が無視されてしまった!
よく考えて見てほしい。ゾンビとはなんなのか?3原則に則ったゾンビは、単体だけなら決して怖い存在ではない。走らず動きも緩慢なため、見た目の恐怖心さえ失くせばだれでも退治できるだろう。しかし、それが無数に近づいてきたらどうなるか?
それこそゾンビの恐怖を他のホラー作品と明確に分けている理由であり、もし3原則がなくなってしまえば、ゾンビは他のモンスターと変わりが無くなってしまうじゃないか!
このドーン・オブ・ザ・デッドは、ゾンビ映画の画期となった記念碑的作品となった。そしてこの作品から、ゾンビが走るのが当たり前になった。
また、この作品から「ゾンビ原理主義者」と「ネオ・ゾンビファン」との対立が始まった。
意識高い系が学ぶとすれば、B級映画にもルールと議論、派閥抗争があるという点に着目し、この作品を見てほしい。
色々と並べてきたけど、B級映画の魅力は、「時間つぶしに最適」な点である。暇はあるけど金は無い、という大半の大学生、独身男に、「悪くない時間」を提供してくれる。
この点で、今やB級映画の名作となったバイオハザードは、「時間つぶし」と言う点から自信をもってお勧めできる作品である。
そこそこ有名な俳優、そこそこお金がかかっている内容、それでいてB級らしい「ぶっとんだ」設定とシナリオ。
B級映画の重要ポイントをそつなく抑えた、B級映画の優等生的作品だ。
B級映画とはなんなのか、を知りたいと思った意識高い系にとって、その教科書的な作品としてお勧めしたい。
時間がないので今回はこの辺で。
ゾンビがメインになってしまったけど、B級映画の世界はかなり広い。今話題の「サメ映画」をはじめ、宇宙SFもの、アクション戦争もの、チープな冒険ものなど、ジャンルは無数にある!
今度、必ず第二弾を書くので、B級映画マニア、もとい「意識の低い世界を覗いてやってもいい」と考える意識高い系のキミは、待っていてほしい