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B級マニアが岩井俊二監督作品を語る その2 「リリイ・シュシュのすべて」を語る

 生粋のB級映画マニアである管理人が、「感性が高い」映画監督の代表である岩井俊二監督作品を見ると、どうなるのか。

 

 世間的に、何の衝撃も与えない「化学反応」の結果をお伝えすべく始めたシリーズ。

 何の衝撃も与えない、の言葉通り、閲覧数も全く伸びません。

 

 しかし!こういう意味のないことを真面目にやることこそ、意識低い系の本分というもの。「意識低い」とは、下ネタやお下劣ネタを口にするだけではないのです!

 「そんなことをやって、意味があるの?」という、意識の高い人からの問いかけに対し、「いや、全然ないっす」と平然と答えて没頭するところに「意味」があるのです!(ムキになっているわけじゃないぞ!!)

 

 

 さて、岩井監督作品の紹介、2作品目は2001年に公開された「リリイ・シュシュのすべて」です。

 

 いやあ、「感性が高い」「センスがある」「映像がオシャレ」というよく聞く感想の通り、冒頭から「オシャレ」な映像が、「オシャレ」な音楽、歌とともに映し出されます。

 「リリイ・シュシュ」という、カリスマ性を感じさせるアーティストに関しての掲示板でのやり取りが、そのまま文字で描かれます。

 

 この映画を製作するにあたり、実際に掲示板を開設し、一般人も書き込み可能な状態で公開されていたそうです。で、その掲示板をもとに映画化された、らしい。詳しい方、教えてください。

 

 そして驚くことに、この掲示板はいまだに存在し、書き込み可能!!

 

 実際に見てみたのですが、今月中に公開される岩井監督の新作への期待などが書き込みされていました。

 

 2001年というと、まだネットは「怖いところ」という認識が世間にはありました。今作で登場する謎のアーティスト「リリイ・シュシュ」は、最後までネット上でしか存在を感じることができません。(曲も流れているけど)

 

 で、全体の「雑感」を述べると、なんちゅうもんを見せるんだ!と。

 

 この作品のファンの方には心から申し訳ないと思うのだけど、見ていて辛かった、というのが本音。

 

 なんて救いのない作品なんだろう。

 

 主人公は中学生ですが、いわゆる「悪い仲間」の下っ端みたいな感じです。

 

 扱いが下っ端そのもので、万引き、置き引きなどの犯罪を繰り返しては換金し、ボスのもとに渡す。

 

 これが見ていてとても辛い。

 

 でも、確かに「スクールカースト」が行き過ぎた場合、起こりえることなのかもしれない。

 

 管理人は、クソ真面目で地味であったためか、こういうことに巻き込まれることもなく、平穏な生活を送ってきました。

 

 最近、ネット上にて時々、いじめに関する動画があったりする。見ていて辛くなりますね。

 

 青春とか、甘酸っぱい思い出とか、中学、高校はとかく瑞々しく、輝ける日々のように描かれがちですが、実際にはくだらない意地の張り合いとか、グループとか、子供なりに面倒くさい人間関係があったりする。

 

 本当は大人もみんな、どこかでその現実を感じた日々があったはずなのにね。

 

 で、ここで思い出したのが、前回に鑑賞した「リップヴァンウィンクルの花嫁」。

 

 あの作品も、前半はやたらと辛い展開でしたが、後半はほのかな希望にあふれる終わり方でした。

 

 きっと、この作品も、そういう展開になるのかな?と思ったのに。

 

 はっきり言って、「リップヴァンウィンクルの花嫁」のような展開はありません。ひたすら見ていて辛い描写が続くのです。

 

 こんなに見ていて後味が悪かったのは、ニコールキッドマンの「ドッグヴィル」以来ですよ。さらに言えば、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」以来の救いのなさ。

 

 皆さん、映画鑑賞に何を求めますか?

 

 自分は「気楽な娯楽」を求めています。

 

 自分と同じ考えの人にとっては、「ドッグヴィル」も「「ダンサー・イン・ザ・ダーク」もお勧めしません。

 

 そして「リリイ・シュシュのすべて」も、お勧めしがたい。

 

 確かに本当の最後の最後で、望んでいた展開になるのだけど、あまり「スカッ」とはしないです。

 

 それにしても、「リップヴァンウィンクルの花嫁」といい、今作といい、岩井監督は、人を徹底的に追い詰める描写が得意ですね。

 どうやったらそこまで人物を追い詰めることができるのか?

 「こうやってやろう」とか、考えつくのか?

 

 ラブレターや他の作品から受ける、岩井監督の「優しい」印象がかなり変わってしまいました。まあ、自分の岩井監督に対するイメージは、偏見ともいえるのだけど。

 

 

 こんな感想ですみません。でも、自分には後味の悪さしかなかった作品。

 

 もし、こういう後味の悪さを鑑賞者に与えたかった、というのなら、監督の思うツボ。