今の若い人にはわからないとおもうけど、管理人の幼少期の80年~90年代のころ、日本人にとってアメリカは圧倒的に強い国だったんだよね。
強い、というのは、軍事的にはもちろん、あらゆる分野で日本とはかけ離れていた。
エンタメは特にそれを実感させた。
アメリカのドラマは、子供が見ても明らかに日本のドラマとスケールも何もかもが違ったもの。
管理人の親世代なら、「奥様は魔女」と見て、アメリカの優雅さと繁栄度合いを思い知ったのでは?
管理人にとっては、「世界の料理ショー」です。
世界の料理ショー「ロールビーフステーキ メキシコ風」 (youtube.com)
見てくださいよ、広くて豪華なキッチンを!
広いアイランドキッチンはもちろん、ガス台も豪華。日本の家庭で一般的だったガスレンジではありません。奥には収納たっぷりのスペースがあるし、何よりもオーブン!
当時の日本で、家庭にオーブンなんてなかったのでは?
そこで料理されるのが、分厚い肉料理!
日本では、ステーキとかローストチキンとか、アメリカ流の肉料理は珍しかったからね。ケンタッキーフライドチキンが人気だったのも、アメリカの肉料理を体感できたような気がしたからでは?
この世界の料理ショーに映っている全てのものだけで、日本人は、日本とアメリカとはかなり大きな差があることを実感したものです。
映画に至っては、アメリカの作品はもはや異次元でした。
日本で、寅さんとか「極道の妻たち」が盛んだったころ。子供向けの実写映画なんて、ヒーローものしかなかったのでは?
それに対し、80年代のハリウッドは、スターウォーズをはじめ、インディージョーンズ、ゴーストバスターズ、ET、グーニーズ、バックトゥーザフューチャー、グレムリン、シュワちゃん等など、数えきれないくらいの様々な作品が制作されていました。
もちろんロッキーなどの硬派な作品も。
どのタイトルも、聞いたことがあるでしょ?その面白さ、迫力、スケールの大きさはもちろん日本映画と比べるべくもないし、最も大きな違いが、そのオリジナリティ。
ゴーストバスターズを最初に広告で見た時、アメリカってすごいなあ、と思ったもんね。それまで幽霊の作品は、ひたすら怖いだけだったのに、アメリカ人は子供の天敵の幽霊やお化けを退治するコメディを作っちゃった。
日本人でこんな面白いことを考えついた人はいるのか?
なお、日本ではアムロ・レイがひたすら悩み、カミーユがおかしくなるのが描かれた時代です。
ほんと、80年代から90年代にかけてのアメリカって、子供が思い浮かぶような妄想を、実際に実現し、しかも面白くしていた。
当時のハリウッドからは、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような感じで、日本に次から次へとエンタメが流れてきました。
あのレベルの娯楽作品を、休む間もなく輸入されたら、邦画に大差をつけてしまってもしょうがない。
それにアメリカはドラマも、日本よりもスケールがちがったからね。
日本では倉本聰とか高倉健とか、大人向けの人情ドラマだったり、トレンディドラマばかりが放送されていた時に、管理人は金曜ロードショーで放送されたドラマ「V ビジター」を見て衝撃を受けてしまった。
その後もXファイルとか、ER緊急救命室など、SFから社会派まで幅広いアメリカドラマの幅広さと面白さに圧倒された。プリズンブレイクも、24もLOSTも、ほぼすべてハマっちゃったしね。
今でもアメリカエンタメに対する憧憬の思いはかわらない。というか、テレビ局以外にもネット配信のドラマまである現在では、面白いものがあり過ぎて追いつかない状況。
そこで!その世界のエンタメの真ん中で、日本を題材にした映画が賞を取った!
しかも主演が日本人!!
これは凄いことだよ。
これも若い人にはわからないかもしれないけど、真田広之さんは大人気だったんだよ。
格好いいし、何よりもそのアクションができてしまう!
バック転なんて簡単に決めちゃってたし。
何よりも、子供ごころにも演技が印象的だった。
これを20代にやってるんだよ。
真田氏は時代ドラマはもちろん、アクション映画やトレンディードラマの主演まで勤め、日本ではキャリアを極めた感があった。
そのBIG真田が、アメリカでは無名の俳優として一人でスタートした、っていうんだから、それも驚いた!日本ではかなり稼いでいたので、付き人を何人も雇えるだろうに。
つーか、日本であれだけ有名でも、やっぱりアメリカじゃ箸にもかからないんだ、と実感せざるを得ませんでした。
あの松田聖子も、ハリウッド版「ゴジラ」(実際はトカゲが走り回る映画)で、一言しかセリフが無かった。日本では主演映画が何本も作られてしまうレベルなのに。
その真田広之氏が、アメリカのドラマで最高の評価を得た、というのは、驚き以上のものがある。しかも日本語での演技で。
そう、「時代劇」で賞を取った。
これ、結構、重要な点だと思う。
「ルパン三世」を知ってます?もはや国民的マンガと言えるし、海外でも人気がある。というか、数年前まで海外向けのシリーズが制作されていたし。
モンキーパンチさんは、アメリカコミックの影響を受けてルパン三世を執筆したことは有名だけど、連載して数年くらいあとで、アメリカの展示会だか何かのイベントでルパン三世を出展したところ、現地のファンに「なぜ、日本らしさがないのか?日本のものを見たいのに」と言われたので、石川五右衛門を登場させたそうです(詳しい人、あとを頼む)
そう、海外が日本に求めるものは、外国にないもの。
そう考えると、例えば日本語で歌われた「スキヤキ」がヒットしたり、最近ではこれも日本語のBABYMETALが大人気になっている。
逆に、日本人の歌手で、無理して英語で歌ってアメリカデビューしても、成功していないですよね。
グローバル化というと、如何に自国の雰囲気を消して、海外(というか欧米)と同じになるか、が叫ばれるけど、実は逆なんじゃないのか?
もちろん英語が話せないといけないのはマストとして。
そう考えると、他でもなく時代劇が賞を取ったというのも、わかる気がします。
何のことは無い。日本そのもので勝負すればいいのではないのか?
一方で、管理人はハリウッドやアメリカエンタメの幅広さというか、貪欲さにも改めて圧倒された。
日本の時代劇が大ヒットした、ということは、それを理解しようとする層も大勢いた、ということでしょ?
アメリカでは面白いものならなんでも楽しみ飲み込んで、自国のエンタメ文化にしてしまおう、という旺盛さを感じたのだけど。
なんでもそうだけど、突き抜けた面白い作品が登場するには、あるいはとびぬけた天才選手が現れるには、実際に作る人、プレーする人が多いのはもちろん、それを見る人やファンが多いことも大事だと思います。
アメリカのエンタメが盛んで豊富なのは、それだけ分厚い「ファン層」があることの証左。
とにかく、真田広之氏の受賞は、偉大な快挙!
今回の受賞は、アメリカのエンタメ業界では、毎年選ばれる作品の一つにすぎないでしょう。
しかし日本人から見れば、大きな1歩です。
アメリカの人にはわからないかもしれないけど、アームストロング船長が月に最初に残した1歩くらいな価値がある。
あとはこれに日本人が続くことができるのか?
最大の武器は「和風」ですよ。
本当におめでとうございます!
追記
管理人が衝撃を受けた、アメリカドラマのメインテーマ
V Main Title & Final Battle Theme (youtube.com)
10年くらい前にアメリカでリバイバルされ、面白かったのに打ち切りに。
お願い、最後までやって!