昨日、甲子園球場で行われた夏の高校野球大会決勝は、息詰まる投手戦となりました。
全然、スコアが動かない。どちらも一分の隙も見せない。
こういう投手戦も、決勝戦で行われると、見ていられなくなりますね。
1点を取ったチームが勝利する。
そういう強迫観念が思考を支配し始めるのです。
高層ビルの上で、細い鉄骨の上で押しあっているようなものです。(いえ、何もパクっていませんよ)
一歩でも踏み外せば、奈落の底に落ちていく。
試合が中盤を過ぎ、終盤に至っても緊張は変わらず。いや、むしろその度合いが増していっている!
選手たちも、よく平静に試合できるね。
がっぷり四つに組みあって、肉体全体でぶつかり合って「均衡」が維持されているように見えるけど、その均衡の正体は、実は非常にか細い糸の引っ張り合いに過ぎなかった。引っ張り過ぎてもいけない。しかし力を緩めることもできない。
どちらかがこらえきれずに集中を失って、この糸が切れてしまえば、その瞬間に大量に点数が動き、一方的な試合になってしまいそう。
そして0-0のまま迎えた、9回裏2アウトの場面ですよ。
関東一校は、ランナー二人を置いての攻撃。
これ、東京の人、京都の人は中継をまともに見ることができたのだろうか?
とてもじゃないけど、見ていられない。
投手も打者も、この日で最も神経が高ぶり、またすり減らした場面。
この場面で、なんと三振を奪ったじゃないか!
緊張に負けず、勝ち抜いた瞬間となりました。
そしてタイブレークへ。
タイブレークには様々な意見がありますし、管理人も「決勝くらいは18回までやるべき」と、思っていたりする。2000校近くが参加した伝統の大会の、最後まで残った2チームです。実力が均衡しているのはあたりまえ。
優勝旗は、体力が消耗して使い切るまで闘い抜いた末にようやく手に入れる価値がある。
・・・・・・・と言いたいのだけど、それ以上に暑い!!!
管理人の高校時代まで、オホーツク地方で30度を超える日なんて、一年に1週間も無かったと思う。高くても32℃とか。
天気予報で「名古屋は38℃?人が生きていられるのか?」と思ったものです。
それが今じゃ、オホーツクの方でも35℃が珍しくないからね。
もう、「精神力で乗り越えろ!」なんて言ってられる場合じゃないくらい、「夏の大会」は暑くてしょうがないのです。
タイブレークはしょうがない。
そして、熱戦の末に、京都国際が優勝!
京都勢に68年ぶりの優勝旗をもたらしたのでした。
京都国際の部員、関係者の方々に、心から祝福を。
そして京都の皆さん、心底羨ましい。
そしてそして、今大会は韓国でも注目を集め、なんと大統領が祝福のメッセージを送るまでになった、とのこと。
一国の大統領からメッセージを貰えるなんて、京都国際の選手たちは凄い経験をしてしまったものです。
なお、京都国際の校歌には様々な意見が出ています。
でも、なんかあまりそこに注目したくないのです。
せっかく優勝したのだから、戦った本人たちはもちろん、この際に韓国の人たちにも、「夏の甲子園での優勝」の空気に浸ってもらいたいのです。
この先、これが何かの政治運動につながってしまうのなら別だけど。
それにしても、素晴らしい試合だった。特に9回裏の攻防は記憶に残る展開でした。
こういう試合があるから、観戦せずにいられなくなってしまうのです。
何度も繰り返すけど、京都国際の選手の皆さん、本当におめでとう。
今年の夏は京都国際の選手たちのもの。
彼らには、残り少なくなった夏の景色は、どう見えるんでしょうかね?
大会が始まる前とは明らかに異なっていると思われます。
まずは、おいしいものをたくさん食ってくれ!
・・・・・男子高校生が本気で腹いっぱい、飯を食うと大変な事態になることが予想されるので、政府レベルで食費を援助してあげてください。
人生でこの時くらい、優遇されてもいいと思う。