夏の高校野球は、ついに決勝を迎えますね。
東京代表と京都代表が対戦する、というのも、熱いものがありますね。
正に「東VS西」ですもんね。
今年は夜にも行われたので、不思議な夏の大会となりました。
ところで、この(どうしようもない)ブログをご覧の北海道民は、20年前の夏のことを覚えているだろうか?
忘れもしない、20年前の2004年8月、夏の甲子園で行われた決勝戦にて、南北海道代表の駒大苫小牧が、北海道代表として初めて全国優勝を成し遂げたのでした!
これは本当に信じられない出来事でした。
それまで北海道地区は、高校野球では最低ランクに位置する、全国屈指の弱小地域、とされていたんですよ。
実際、道民もそんな感じでNHKの中継を見ていたし。
甲子園への出場は「夏の記念」というか、北海道の大会を頑張った「ご褒美」的な感じがありました。やっている側はわからないけども。
どこか「甲子園に行くこと」が、最終目的となっていたような。
実際、北海道代表は、南北共に弱かったからね。
北海道内で無双している高校が、甲子園で全国レベルの強豪校と対戦したら、コテンパンにやられてしまっていたし。
先制点を取られたら、まず逆転はできなかった。
最初の3回くらいまでは、なかなかいい試合ができている「ように見える」んだけど、中盤からジリジリと差がつきはじめ、終わるころには10点差近く突き放されている、というのが「パターン」となっていました。
たまに2回勝つことがあったのだけど、全国ニュースなどでは「ああ、珍しく頑張っているんだなあ」とされるだけ。
ちなみにその時の道内ニュースでは
「大健闘!北海道勢奇跡の2勝達成!その時、大会関係者は「北海道は凄いぞ!」と衝撃を受けた」
という感じで、まるで北海道代表が、夏の甲子園の話題をかっさらってしまったかのように大々的に報道されていました。
2勝なんてしたら、地元に帰ったら英雄扱いだったと思う。
だから、仙台育英や青森山田みたいに、少しづつ実力が上がって、ようやく達成した!というわけではなかったのです。
2004年の夏に、突然、快進撃が始まったのです。
2004年大会の、駒大苫小牧の初戦の相手が長崎代表の佐世保実業。
もう、九州代表ってだけで、「ああ、負けたな」という感じ。西日本には絶対に勝てない、みたいに思われていましたからね。
それが勝っちゃった。もう、この段階で、北海道に帰ってきたら選手たちは「スゲー!」「九州に勝った!」的な扱いをされていたでしょう。
でも、5年に一度くらいは、一回戦を勝つことはあったんですよ。
次の相手が東京の日大三高。
もう、「東京代表」な上に、全国レベルの強豪校じゃないですか。
試合を行う前に名前で負けていた時代なので、この段階で多くの道民が「終わったか」と思ったことでしょう。
それが大接戦の上で、勝ってしまった!しかも終盤、追い上げられるも逃げ切った!
これはとても大変なことで、当時はなんせ「全国レベルのメンタル」をもっていなかったと思われるので、こういう展開になったときには、本気の強豪校相手に気後れしてしまうことが多かっただけに、地力でも勝利できたことに、驚愕してしまった!
こうして「強豪狩り」に成功した駒大苫小牧。
もう、これで終わっても、北海道では「あの日大三高に勝った」と、数年間は伝説となったことでしょう。
次の相手が、横浜高校!
もうもうもう、高校野球ファンなら誰もが知る超絶強豪校!
しかも当時の横浜は、高校生のドラフトの目玉であった、あの涌井投手を擁していましたからね。
これは本当にダメだ、と。もう何点差もつけられて、涌井に完封されるだろう、と。
もう、全国レベルで有名な投手が出たら、まず無理でしたから。
実際、1988年の夏に、札幌開成高校が、当時、プロのスカウトの注目を集めていた屈指の好投手・川崎憲次郎を擁した津久見高校と対戦しまして。
これ、当時の札幌開成の選手の方々には申し訳ないのだけど、川崎相手にチンチンにされてました。チャンスすら作れなかったのではないだろうか。
なお、この時に試合に出場していた札幌開成の選手のお一人は、エスコンの実現に参加されていたそうです。
まあ、そんな感じで、いよいよ終わった、と道民は思ったことでしょう。
それでも「あの横浜と」「あの涌井と」と、最高の夏の思い出になったことでしょう。
・・・・・それが、勝ってしまった!
しかも涌井投手をちゃんと「攻略」しての勝利。
この辺りから、管理人は怖くなってきてしまった。
なんだこれ?って。
こんなことがるのか?と。
強豪校を倒しただけではないのです。
「夏の甲子園」で、北海道代表がベスト4にいるじゃないか!
嬉しいというか、背筋が寒くなる思い、というか、怖くなった、としか言いようがない。ここか先は、観戦歴だけは長かった管理人が、今まで経験もしなかった領域。
どうなってしまうのか?
この辺りから、道内の報道も変わってきたんですよね。
なんというか、高揚感というか、浮遊している感じが、見ている側にも伝わってきた、というか。
道内の民放にしろ、NHKにしろ、夏の大会で北海道のチームが初戦を迎える時は、「決まりきった感じ」の仕草で「みんなで応援しましょう!」「○○高校の皆さん、頑張ってください!」と、話すのが「定番」だったのだけど、この辺りからテレビを見ていても、「中の人」が興奮を隠しきれない様子が伝わってきました。
何が起こっているんだ?と疑問に思う間もなく、準決勝へ。
準決勝の相手は東海大甲府で、これまた全国で有名な強豪校。
なんとこれにも勝ってしまった。
なんだろうね、あのゾクゾクする感じ。「楽しみ」とかじゃないんだよ。
不安というか、なんというか。それまで大人ぶって「どうせダメさ」と、冷静を装っていた大人たちが、みんな「もしかして」と思っていまして。
もう、道民の気持ちは、全て駒大苫小牧の選手たちに握られちゃった感じ。
そして決勝ですよ。
相手はこの年の春の大会で優勝した、新進気鋭の強豪校・済美。
え?半年前の大会で優勝したチームと、決勝で対戦?
もう、出来過ぎていた。
・・・・・・って、仕事だから続く!