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スポーツ観戦と高齢者福祉

 

 確か2008年だと思うけど、八月に管理人はライジングサンに行きました。

 

 まあ、付き添い(荷物運び)なんですけどね。

 

 20代の頃は、今や死語となった「オリコンヒットチャート」の上位曲を覚えてカラオケで披露していたものですが、30代後半から音楽の流行への興味が薄くなっていまして。

 自分が興味がなくしてから始まった、音楽の祭典であるライジングサンの存在を知りませんでした。

 荷物運びを命じられて、「へえ、そういうのがあったんだ」という感じ。なお、そのときに管理人に命じた人物は、今は妻となって変わらず命令しています。

 

 なんだかんだあってライジングサン会場に入場。テントを設営します。

 

 ・・・で、これで自分の使命は終わり。後片付けまで何もなし。

 

 どーすんの、ってね。出演しているミュージシャンも知らない人ばかりだったし。

 まあ、それでもいくつかのステージを覗き見してたり、そこそこ楽しんでいました。

 

 でも一番楽しんだのは、会場内の大型ビジョンで中継されていた、北京五輪の野球中継。

 

 すごいですよ。そうそうたるメンバー。改めて調べてみたら、投手陣にはダルビッシュをはじめ、涌井、和田、杉内、田中将大、上原、藤川、岩瀬の名前がありますからね。

 

 そんな中、会場で一番注目を集めていたのは、「我らが」稲葉!

 

 北京五輪当時の稲葉は本当にすごかった!日本でも1、2を争うバッターでした。マジで!!

 稲葉って、神宮でプレーしていた時よりも、札幌ドームでプレーしたときの方が、本塁打数を増やしているんですもんね。やっぱレジェンド!

 

 その稲葉のいる日本代表の試合を、レモンサワーを飲みながら観戦していました。

 

 そして稲葉の打席になって、確かヒットを打ったんだよね。そしたら会場中、割れんばかりに大盛り上がり!!

 自分はそういうのに慣れていなかったんだけど、知らな人とハイタッチをしあいましたよ。初めて、観戦で他人と一体感を感じましたね。

 

 あのレモンサワーを片手に野球観戦で盛り上がった夏の日のことを、今でも覚えています。野球がなければここまで記憶に刻み込まれることもなかったでしょう。

 

 

 その時にハイタッチした人の中に、お年寄りの男性もおられて。

 お孫さんと一緒に来たのか、お嫁さんに連れてこられたのか分かりませんが、中継で一緒に盛り上がりました。

 

 そう、中継を見て盛り上がるのに、年齢は関係ないんですよね。

 

 

 自分は札幌五輪の招致に、賛成の立場です。

 

 が!さすがにあんな逮捕劇を見せられて、賛成なんて言えない。

 

 招致を一番邪魔をしているのが、組織委員会っていうんだから、皮肉な話ですよね。

 

 反対の人を説得する、というのはまだわかるんですけどね。

 

 その招致反対の意見の中で、「五輪にお金をかけるよりも高齢者の福祉を優先すべきだ」というものがあります。

 

 自分はこれに違和感を持っていましてね。

 

 なんとなく「五輪」と「高齢者福祉」って、対立項として扱われますよね。

 

 そして、五輪を開くことが道徳的に反している、という雰囲気になってしまう。

 

 本当にそうなのか?って。

 

 自分は若いころ、訪問診療でいくつかの高齢者施設を回ったことがあります。

 

 その際に、毎日、新聞の株式欄に書いてる企業の株式金額を、日記につけている方がおわれまして。

 毎回、それを自慢げに見せてくれる。そして「毎日、欠かさずつけているんだ」と話してくれていました。

 実際に見せてもらったけど、大したものでしたよ。偉そうな言い回しで申し訳ありませんが、本当に数年間も、数十銘柄の値段を毎日、記録されていて。

 なかなか続かないですよ。

 

 他にも日本ハムの打者の毎日の打率を記録している方もおられた。

 相撲の星取表に●か◯をつけているかたもいた。

 簡単なスコアブックをつけられるようになった方もいた。

 訪問じゃないけど、90才を超える男性が受診されたときには、同年代の奥様のことを毎回、お話しされていました。同じく、日本ハムの打線の成績を毎日、記録していて、なんと打率の計算もするようになった、とのこと。

 

 これをご覧の「若い世代」の方は、そんなどーでもいいことで、と思われるかもしれませんが、上記の方々はそれを記録することを楽しみにしていて、一日の最大の娯楽としている方もおられる。

 そしてチームや相撲力士が勝ったり負けたりして、一喜一憂している。

 見ていてこっちが楽しく思えてくるくらい。

 

 これって、十分に「福祉」じゃないですかね。

 

 「高齢者福祉を優先すべきだ」と言う意見ですが、具体的にどうするか。

 

 施設を増やす、職員の方の労働環境を改善する。これはとても大事なことです。

 

 一方で、施設などを整備しても、それだけなら「老人収容所」になりかねません。

 

 その施設で日々、楽しみを感じられて生活できてこそ、「福祉」なのではないでしょうか?

 

 その際、地元のチームのスポーツ観戦は、大きな役割を果たすのではないか、と思うのです。

 

 野球の試合は、ほぼ毎日、行われます。おかげで利用者は日々の変化を、チームの勝敗で感じることができるし、成績の上下で記録をつける楽しみも生まれます。

 

 しかし野球は夏の間しか行われません。

 

 でも、よく考えたらスポーツは冬もやってますもんね。ホッケーもスケートもスキーも。

 

 野球がオフの間の日々の変化にも、冬季競技は有効なのではないでしょうか。

 

 これは立派な「高齢者福祉」だとおもう。

 

 いや、どれだけ予算を賭けようと、実現できないことが観戦では実現できると思うのですが。

 

 

 ・・・・・なんて言ってますが、あの通りの報道を見ると、やっぱり賛成できませんよね。