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ファンも悪い、いやファンが悪い

 今回の中田の移籍について、日本ハム、巨人ともに様々な意見が出ています。

 

 中畑氏をはじめ、巨人OBの方々は「まずは日本ハムの選手として謝罪すべきだ」と指摘。日本ハムフロント、栗山監督の対応の甘さ、そして「巨人へ押し付けた形」への不満が様々な方面から表明されています。

 球界の重鎮、広岡氏も、移籍の経緯について不信感をあらわにしています。

 

 この指摘は正当なもの。

 

 正直、まずは北海道で、一言でいいから、それこそ出発前の新千歳空港ででもいいから、何かを言ってほしかった。形は違うけれど、ダルビッシュも大谷も、全国記者会見とは別に、道民向けの記者会見を開いていましたし。

 

 

 ただ、これは世代によって異なるのかもしれないのだけど、北海道民もしくは北海道の日本ハムファン(当然、他チームファンの道民もおられる)にも責任はあるのかもしれない、と思っておりまして。

 

 よく各評論家、関係者に指摘されることだけど、「北海道のファンは批判をしない」と。

 

 よく言えば「優しい」だけど、客観的にみれば「甘い」ともされかねない。

 

 北海道はプロチームの本拠地としての歴史が浅いため、阪神や巨人のように「上手に批判する」というのはできていないのかもしれない。

 

 でも、やっぱり地元のチームの選手を批判する気にもなれず。

 

 これは完全に管理人の考えになってしまうのだけど、中田には感謝の方を大きく持っています。

 

 
 日本ハムが北海道にやってきて、もうすぐ20年を迎えようとしていますが、それまで北海道はプロスポーツ不毛の地でした。

 まだ札幌なら様々なチームの遠征試合を見ることができたのかもしれないけど、自分は北海道でも地方中の地方に住んでいたので、幼少期にはプロの試合を見る機会などありませんでした。

 

 プロの試合なんて、テレビの向こう側の世界の話でしたし。

 

 幼少期の西武ファンであったころ、パリーグはマイナーな扱いでしたがそ、その中でも日本ハムはロッテと並んでさらに地味な存在でした。

 

 そんな地味なチームでも、北海道にやってくる!となると、とても嬉しかった!

 

 そして札幌での主催ゲームが始まって、テレビに出ていた選手たちが北海道でプレーをして、スポーツニュースでも放送される。

 

 なんか不思議な感じがして。

 

 高校野球で北海道のチームが出場して、全国中継で地名が呼ばれるだけでも地元民としては「全国に流れているぞ!」と、なんとも言えない高揚感があったのですが、今やそれが毎日のように扱われる。

 

 そして何よりも、プロという存在が間近にあり、プロのプレーを直接見ることができる!

 

 自分は今に至る前までに、道内の様々な地点を転々としましたが、どこにも日本ハムファンはいて、みんなツアーを組んだり、友達と車に乗って、観戦に行こうとする。

 

 北海道って、広いですよ!それでもはるばる日高山脈大雪山を超えてまでして、「近く」のプロのプレーを見に行くのです。

 道内旅行のメインディッシュが日本ハム戦の観戦だったのです。

 

 管理人だけではなく、それだけみんな、プロスポーツを渇望していたんだ、と痛感しました。

 

 で、移転後、稲葉、ダルビッシュの活躍した2000年代で「強豪」とされ、そして中田がメインとなった2010年代を迎えます。

 

 とても幸せな10年でした。

 

 クライマックスシリーズ日本シリーズも、なんと札幌で行われた。全国の注目が集まった。

 パリーグ優勝もしたし、日本一にもなりパレードも行われた。

 

 不毛時代の方が長かった自分にとって、これは考えられないことでした。

 

 
 10年の間に、ダルビッシュも稲葉も大谷も、日本ハムにはいたんですもんね。

 

 でもトップ人気はやはり中田でした。

 

 12球団でもすっかり有名な存在になった中田のおかげで、10年代の北海道の野球は盛り上がりました。

 また、プロチームがあるからか、高校野球でも北海道のチームに変化がありました。

 

 自分の10代の頃なんて、高校野球において北海道は全国有数の弱小地区でした。数年に一度、「まぐれ」という感じで一回戦を突破することがあっただけでも、地元では「奇跡だ!」となりました。道内の新聞もテレビ局もトップニュースで勝利を報道したものです。まあ、大体は敗れることが多かったのですが。で、たまに勝ってしまうと、「相手チームは地元に帰ってから、北海道なんかに負けた、と地元中から叱られてしまうのではないか」と、返って相手チームを気の毒に思ってしまうほど。

 そんな状況だから、関東勢に勝つことはかなり困難、近畿勢、九州勢、四国勢などの西日本勢に勝つことは不可能、と思われていました。

 

 それがどうだろう。日本ハムの北海道移転が決まってからの道内の高校野球の情勢は。

 

 駒大苫小牧の連覇・準優勝をはじめ、移転後に春・夏を通じて準優勝があり、夢のまた夢、という感じだったベスト16,ベスト8、ベスト4も珍しくはなくなった。

 そういえば信じられますか?駒大苫小牧は、あの涌井のいる横浜高校、そして中田翔のいた大阪桐蔭という、名門中の名門校にも勝利していたのを!

 

 今では北海道は弱小地区を脱して、強豪地区の仲間入りをしようとしている。日本ハムが北海道の野球を強くしてくれました。

 

 オリンピックの時に選手たちが「多くの人に見てもらってしってもらいたい」と語っていましたが、道民がその効果を一番、実感しているのではないか、と思います。

 

 そしてそして、信じられますか?来年の夏、北海道に本格的な野球場ができるんですよ!!

 

 これも全てプロ野球チームが北海道に来たおかげ。

 

 しかも移転しただけで人気がなければ球場建設までには至らない。しっかり強くて、人気のある選手がいたおかげ。 

 自分は中田のおかげと思っています。中田が北海道に世界一の球場を作ってくれた、と。

 

 だからと言って、やったことが消えたことにはならない。

 特に巨人という、野球界の歴史の中心にいたチームに加わる以上、OBの方々の意見も聞かなければならない。

  

 巨人ファンや巨人の関係者、セリーグの方には許しを得ないといけないかもしれないけれど、管理人個人は、もう、これでいいと思ってしまいます。

 

 

 でも、北海道のファンも変わらないといけないですね。

 

 素晴らしい球場ができる以上、これからは「どうすれば常に強いチームでいられるか」「そのためにファンはどうすればいいのか」を考えなければならないようです。

 

 巨人ファンの方々、関係者の方々、悪いのはファンです。申し訳ありませんでした。(勝手に代弁してますが、もちろん個人の考え)