昨日、中田翔の巨人への移籍が発表されました。
個人的には、秋山幸二のトレード、糸井のトレードにならぶ、「激震」のニュース。
前述の2つのトレードの際は球団・フロントに怒りが湧きましたが、今回は真逆。
「これでよかった」と。
栗山監督が主体となったそうですが、よく動いてくれた、と。
中田への思いが伝わります。だってなんとも思っていなければ、2軍で塩漬けにしてそのままオフに誰かとトレードするでしょう。「中田を出すんだから少しは見返りを」というのは、フツーの感情と思う。
しかし、それをしなかった。無償トレードというのは、そういうこと。
ファンは新聞などの報道情報を通して推測するしかなく、勝手に栗山監督の人物像を作り上げている可能性が高いのだけど、この中田の放出には愛情を感じます。
また、最初に中田を引き上げた梨田氏、中田と親交の深い稲葉氏も中田のために動いた、とのこと。稲葉氏は次期監督の名前もあるだけに、中田の放出は簡単には決めることができないはず。
それだけ中田が起こしてしまったことのチームへの余韻が大きいのと、一方では中田を何とかしたい、という思いが伝わります。
巨人が受け入れてくれて、本当によかった!
・・・・・長年、見続けてきた日本ハムファンの方も、実はこれがよかったと思っているのでは?
阪神移籍が実現できなかったときくらいから、彼は明らかにやる気を失っているようにも見えまして。
今の日本ハムは、かつてのダルビッシュや稲葉と言った存在感のある選手がおらず、よくも悪くも中田が「顔」にならざるをえなく。
その中田の雰囲気がチームの雰囲気を現していました。
そしてチームからは何とも言えない倦怠感を感じていました。ここ数年、最下位付近を行ったり来たり。
中田が若かった2013年だって、最下位だったのですが、あの時は中田をはじめ、若い選手がグングン伸びてくる雰囲気を感じました。もう上昇する予感しかなかった。だから希望を感じてもいたのだけど、今のチームは八方ふさがりの閉塞感を醸しだしていました。
中田の責任にしたいわけではありません。
中田が嫌いだから、ではなく、札幌ドームという無駄に広くてフェンスが高く、地面もガッチガチの球場は、明らかに中田のようなパワーヒッターには不利。
だって、大谷でさえ20本台ですよ。
彼自身の持ち味を生かせないどころか、フライに終わることでむしろ長所を殺してしまう面もあった。
そんな中で、彼が札幌ドームでモチベーションを維持するのは難しかったのではないか、と。
ホームラン王とはいわず、彼の打力に見合った本塁打数を記録できていたら、まだ違ったのではないかと思うのです。
札幌ドームでは、この先、どうあっても彼に求められている成績を残すこと、それを更新することは難しかったと思います。
そういうやりきれない思いも、今回の事件に至ってしまった原因の一つにあるように思えて。
でも、これからは違います。本拠地は東京ドーム。飛距離という面では、今までよりもホームランを狙える。
東京ドームをバカにするわけでもセリーグを甘く見るのでもありません。
札幌ドームが明らかに広すぎた。
中田よ、ホームラン王を目指せ!!札幌ドームで30本も打ったんだ!狙える実力がある!
そして、話は今後の日本ハムへ。
すべてを中田のせいにするわけにはいかないが、せっかくにプロになったのだから、悔いなくキャリアを終えてほしい、と。
今回、日本ハムの放任主義が批判されていますし、それは正当なものと思います。
一方で、その放任主義を生かしたのがダルビッシュであり、大谷です。
一番、考えを変えなければならないのは、編成でしょうか。
やはり「ベテラン」という存在は必要だ、と痛感。
そして、そろそろ「大物」の外の血を、FAなどで獲得したほうがいいと。
毎年、FA競争に参戦しろ、というのではありません。たまには必要なのでは?
ちょっと内向きになりすぎていたのかもしれない。
とにかく、この放出が「正しかった」と世間に認めさせる方法は、中田翔が巨人に馴染んで活躍し、そして日本ハムが勝つことのみ。
どちらも頑張ってくれ!
巨人、そして何よりも原監督、獲得してくれてありがとう!!!!
中田よ、ホームラン王を目指せ!!(鍵谷よ、たまにアップルパイを作ってあげて)