ようやくコロナウイルスの流行にも、終息が見え始めてきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
このような状況下でも「意識高い系」の人たちは、己の意識が高い位置を維持しているか、気にかけなくてはならない。
「自粛疲れ」などとは言ってられない!「意識高い系」には24時間、自由はないのだ!
今回はそんな「疲れちゃった」という、ぬるい意識高い系に喝を入れるべく、名言を紹介する。
え?自己啓発本ならたくさん読んでいるから、今更、名言なんて聞きたくない、って?
甘い!どうせ多くの「意識高い系」は、スティーブ・ジョブスとかビル・ゲイツとかアマゾンの偉い人など、世界でも超トップクラスの人物の本を読んでいるのだろう。
甘すぎる!そんな聞きなれた名言など、このブログでは一切紹介しない!むしろ「自己啓発本を捨てて、街へ出よ!(でもキャバクラは自己責任で!)」と言い切ってしまう!!
そんな「ビッグ過ぎる人」の言葉に耳を傾けるより、もっと身近なところから学ぶべきものがたくさんある!今回は「身近なような気がする漫画」として有名な、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公、両津勘吉のセリフから、現代の「意識高い系」に道を開く名言を紹介する。
1、「「汚い!」「卑怯!」は敗者のたわごと」
両津といえば、様々なレースや試合で無類の強さを誇ることで有名。しかしその「勝ち方」は、必ずしも「美しい」ものではない。反則、裏工作も常套手段のごとく躊躇しない。
確かに褒められるべきものではない。漫画の中ならルール破りも許されるが、実社会ではスポーツはルールに従わなければならないし、日常生活でも法に従わなければならない。
しかし、考えて見てほしい。普段、我々はルールや法律以上に、「慣例」や「前例」、「暗黙のルール」というものに無意識に従っているのではないか?
そして「ニュービジネス」というものの多くは、「人類の歴史に残る大発明」とか「天才による画期的アイディア」などではなく、「え?それをやっちゃったの?」というものではないか?
心の中で「そんなの、俺だって考えていたよ!」と思いながら。
結局は、世に出る「新しいビジネスの形」の大半は、行動したか否か、で決まるのだ!そのビジネスの最初の成功者とは、「斬新なアイディアを思い浮かべた人」ではなく、「みんなが考えていたけどやらなかったこと、を初めにやった人」のことであると言っても過言ではない!
そう、目指すべきはジョブスやビル・ゲイツなどの「天才」ではない!
コロンブスのような「常識破り」だ!
しかし両津は「常識破り」では終わらない。
「常識を破る」だけなら誰でもできる。問題は常識を破った後、両津のように平然としていられるか。
例え「常識」や「慣例」を破ったとしても、多くの人間はその後の「汚いぞ!」「そこまでして出世したいか!」という世間の批判に耐えることができず、消えていく。
しかし両津勘吉はそこで動じない。そして事態は彼を中心に動いていく。
そう!最初は「汚い!」「卑怯!」と罵られようと、続けていればそれがやがて「常識」に変わるのだ!自分で新しい常識を定めるのだ!!
「天才」をマネするのではなく、「誰もがやれそうで、やらなかったこと」をやり、それを「常識」「ルール」とする。
正に「両津勘吉」的な生きざまこそ、現代人が目指すべき人間像だ!!
・・・・・・・なお、管理人には真似できません。
2、「女は車がわからない」
一見しただけで「男尊女卑」を感じさせてしまう言葉である。実際、「こち亀」の中には似たような発言が出てくる。これは作者の主張というよりも、両津勘吉というキャラクターが発している、と思われる。そして1980年代まで、実際にこのような発言が日常的にあったのも事実。セクハラ問題はまだまだ改善しなければならないが、この30年で大きく変わった。
このセリフは確かに女性蔑視の表現でもあるが、実際にはそれ以上の意味があるのではないか?
そしてこのセリフが掲載されたのは、バブル真っただ中のころ。
世間にはお金があふれ、毎夜、繁華街には毎晩のように大勢の人が繰り出し、世界中のブランドものを買いあさっていた。
その貪欲ぶりは、当時から批判があった。実際、人々は雑誌やテレビが作り出す流行に容易く左右され、大卒初任給でアルマーニを買う新社会人が、当たり前のように現れていた。
そして自動車は、見栄を張る最高レベルのアイテムとなっていた。
クルマの性能とは別に、「ベンツ」「BMW」「ロールスロイス」などのブランドか否かが購入の決め手となり、車の性能を理解してないのに高級車に乗ることが大半となった。
また「アッシー君」という言葉が登場。女性は出かけるときに「今日はベンツに乗りたいな」と思ったら、ベンツを所有している男に電話をし、下心丸出しの男はホイホイと車を出して女性の目的地まで乗せ、現地で解散。そして帰りに「ポルシェに乗りたい」と他の男に電話をする。
そのような女性の存在が、決して珍しくはなかったのだ!
そんな中、カローラにBMWのエンブレムをつけたら女性が信じた、という都市伝説のようなものが広まった。なお、実際に「こち亀」の中でも言及されている。
作者の秋山氏は、有名な趣味人。こち亀にはプラモデル、モデルガンをはじめ、様々なマニアな話が掲載されている。一つ一つの知識量が半端ではなく、作者の強い思い入れがうかがえる。
そして車は「こち亀」の代名詞と言えるほどのアイテムであった。車の回ではポルシェ、カウンタック、フェラーリなどなどのスーパーカーについて、あふれんばかりの知識と思い入れが詰まっていた。
そのような、クルマに思い入れを持つ作者=両津勘吉は、バブル時代にブランドだけで車を選ぶ人々を、どのように見ていたのか?
このセリフは女性を差別しているわけではない。いや、男だろうと女だろうと「無知なのにブランドを求める人間」自体を差別している。男、女問わず、車の性能もわからないでブランドだけを求める世間の人々に対する、車を愛する作者からの痛烈な皮肉なのである。
このセリフから読み取るべきことは、ビジネスのシーンで成功したければ高級なものを身に着ける必要があるが、上辺だけならすぐに「真価」がバレてしまう。一流品を身にまとうのなら、知識と愛情もまた一流を身につけろ、ということ。
「ホンモノには、その人がホンモノかどうか見抜く力があるぞ」という、メッセージである。
・・・・なお、管理人はユニクロとGUが愛好品。
以上が「こち亀」から学ぶべき名言だ。
確かにジョブスやビル・ゲイツ、その他の経済の偉人の言葉に比べれば、「格好悪い」かもしれない。
しかしそれだけに、むき出しの意味が、端的な形で表現されている!そしてその言葉の実践が、両津勘吉を通して描かれている!
表現に酔いしれて「自分もそうなったような気」になりたいだけのなら、「ビジネス書」を読め!
実質を手に入れたいのなら、「こち亀」を読め!
意識高い系の高みを目指しのならば、「こち亀」を読破することをお勧めする。
なお、自分は100巻から以降は見ていません。お寿司屋さんが出てきたあたりから。
自分的には40巻から70巻辺りが特に面白い。払抱えて笑うレベル。