意識低い系、日本代表宣言!!

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久々の更新

 久しぶりに更新します。

 

 最近は「お」勉強に時間を割いていました。

 

 さて、以前から欧州の歴史の「お」勉強をしているとお話ししてきましたが、これまでにフランス、イギリス、スペイン、イタリア、ドイツまでを終え、現在はオーストリアハンガリーポーランドルーマニア、バルカンの一部を含む「ドナウ・ヨーロッパ史」を学んでおります。

 

 特にオーストリアの動向に興味を持っております。

 地図を見るとむしろ小国の部類に入るオーストリアですが、欧州史を見るとイギリスやスペインなどといった、オーストリアから離れた国の歴史にも、オーストリアの動向が述べられています。なぜかというと有名なハプスブルク家の根拠地であるとともに、神聖ローマ皇帝の根拠地の一つとして、ヨーロッパ全体の政治動向に重大な影響力を持っていたためです。

 

 これは意外に思ったことですが、これまでの歴史を見てきた中でイギリスやスペインなどといった、ローマや神聖ローマ帝国から離れた地域においてローマ教皇への服従と離脱の動きが活発なのはわかるのですが、お膝元と言えるイタリアでは必ずしもローマ教皇が影響力を発揮しきれないばかりか、むしろ公然と反動の動きまで見られる。

 

 また、形式的とはいえ、ローマ教皇の戴冠が必要な神聖ローマ皇帝の「地元」であるドイツで、カトリックに反発するプロテスタントが誕生したのも意外です。

 

 ほんと、欧州では勢力が目まぐるしく変わる!カトリックプロテスタントの対立、それに加えて各国の「国教」の独立傾向、そして王族同士の結婚によって王位継承候補者が広範囲になったことでの相続争い。現在の国境線なんてあてになりません。

 

 中国や日本など、東洋史とは明らかに異なり、10年単位で情勢が変わります。一人の英傑が登場して国内政治を安定させ、領土を広げたとしても、次の代ですぐにその成果が霧消する、なんてしょっちゅうです。

 

 ヨーロッパの子供の歴史の授業って、大変だと思うよ。

 

 日本史は暗記ばっかりで面倒くさい、と言っている学生は多いと思うけど、まだ「平安時代」「江戸時代」なんていう大まかな区分けができているだけ、日本史は楽だよ。

 

 そして向こうの学生に心底、同情するのが、同じ名前の王様が、何度も登場する、ということ。

 

 「ナントカ二世」とか「ホンニャラ3世」なんてのが繰り返し登場するし、数十年したらまた「ナントカ一世」を名乗る人物が出てくる。

 しかも同じ時代の違う国、地域で同じ名前を名乗る君主まで登場する始末です。

 

 例ですが、現在、読んでいるオーストリアの歴史書の一説。

 

 「(オーストリア)大公フリードリッヒ2世は、皇帝フリードリッヒ2世から帝国追放を命じられた」

 

 これ、混乱しませんか?

 

 「神聖ローマ帝国」とは、「ローマ帝国」という名前があるので古代ローマ帝国を思い浮かべますが、実態は全く異なり、いくつもの半独立した地方勢力が寄せ集まっている、というのが実態。

 で、その神聖ローマ帝国の一地方であるオーストリアを治める大公フリードリッヒ2世という人物が、神聖ローマ皇帝であったフリードリッヒ2世から、神聖ローマ帝国からの追放を命じられたわけです。

 

 このオーストリア大公フリードリッヒ2世、と、神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世、は別人なのです。

 

 どうですか、理解できます?

 これ、日本史や中国史東洋史になじんでいたら戸惑うと思います。

 

 ちなみに「フリードリッヒ2世」も、何度も登場します。もちろんそれぞれ別人で。

 

 ドイツやオーストリアの歴史で特によく見かけるのは「フリードリッヒ」「ルートビッヒ」「ハインリッヒ」の3つ。自分は頭の中で「イッヒッヒ3兄弟」と名付けています。

 

 この3兄弟以外にもたくさん出てくるし、それらが時代を変えて何度も出てくるし、しかもそれぞれ「〇世」などと名乗るので、大変ですよ。

 

 これをヨーロッパの学生は、試験のために覚えるわけです。

 

 日本では「小野妹子」なんて一度しか出てこないでしょ?「小野妹子2世」なんてのが室町時代に登場する、というのが欧州の歴史ではあり得るのです。

 

 もし自分がヨーロッパの学生で、歴史の試験で人物の名前を書けと問われたとき、わからなければとりあえず「フリードリッヒ」と書いときます。確率は高いほうなので。

 

 

 ヨーロッパでもコロナが猛威を振るっていますが、欧州の子供たちは頑張って「フンダラ〇世」を覚えてくれ!