コロナウイルスによる不安が続く現代、日本。
意識の低い人、高い人はいかがお過ごしか?
なかなか外に出るのが憚られる情勢だが、意識高い系の人たちはこういう時にも意識を高める努力を怠ってはならない。
今回は「意識が高くなったような気がする」作品をご紹介するので、個々の「意識上げトレーニング」に活用していただきたい。
なお、あくまでも「高くなったような気がする」だけなので、その辺は各自、適当に注意してほしい。
第三位 美味しんぼ
究極という言葉を一般人に定着させ、バブル時代にグルメブームを巻き起こした。
この漫画の特徴は、やはり料理についてのウンチクの多さだろう。
料理にイチイチ文句をつけずにいられない海原雄山の存在が大きい。
この作品を読むと料理ができなくても「このカレーは、小麦粉を焙っていないので香ばしさが足りない」などと、「もっともそうなこと」をのたまうことができるようになす。
正に日本を代表する「意識高い系」漫画。
「彼女をデートに誘ったときに、料理のことを偉そうに語りたい」というグルメ系の意識高い人にお勧めしたい。
第二位 課長 島耕作
団塊の世代のバイブルと言えるこの作品。
平凡なサラリーマンだったはずの島耕作が、会社内の陰謀に巻き込まれるたびに出世していく、というありえないジャパニーズドリームの数々。
アメリカ出張、アジア出張を繰り返すうらやましい日々。
そしてセリフもカッコイイため、オジサンたちの心を直撃!!
何よりも社内恋愛はもちろん、あちこちに手を出しまくるどうしようもなさ。京都の小料理屋で薄幸の美人の女将と懇ろの中になる、なんてもはや妄想の域にいたっています。いや、漫画だからいいんだけどね。
「課長 島耕作」が流行ったころって、バブルであったこともあるのだろうけど社会全体がイケイケで、あの全国紙の読売新聞の朝刊に渡辺淳一氏の「うたかた」が連載されていました。この「うたかた」の内容が、フランス書院文庫も真っ青の「大人な展開」。渡辺淳一、という名前から「純文学」と思いがちですが、内容は結構「アレ」です。そんな小説の上で堂々と「教育問題」を語る記事があるのだから、大人の世界の矛盾を突き付けていました。
「失われた30年」を生きた令和時代の若い「意識高い系」に、バブル時代のビジネスマン世界を感じさせてくれる貴重な作品。これからの「意識高い系」を支える人たちに、ぜひ読んでほしい。
第一位 銀河英雄伝説
「意識が高まる作品」は、何も現代劇に限ったことではない。
どの分野にも意識高い系の人々にとって示唆に富む作品がある。
その代表格が、このSF作品「銀河英雄伝説」だ!
この作品はやはり、天才の両巨頭であるヤン・ウェンリーとラインハルトの二人に尽きる。
この二人が「なんだかスゴそうな」戦術、戦略を駆使して英雄的な活躍をするのだ!
この作品は、ぜひ、登場人物になり切って鑑賞してほしい。
すなわち、自分こそが「ミラクル・ヤン」なんだ!と!!
するとなんだか自分が銀河系に名をとどろかせる英雄のように思えてくるのだ!!
そしてこの作品を見終えた後、あなたは「俺は凄い能力を持っている!」という、銀河系レベルの意識の高さを身に着けることができるだろう。
なお、実社会で「やれやれ」なんて口にすると、「あいつ、やる気がない」という評価が確定し、誰も声をかけてくれなくなるので、要注意!
さあ、意識高い系の若者よ、銀河の大海に身を投じよ!!
・・・・・・銀河の歴史にまた1ページ・・・・・
以上が「意識が高くなったような気がする作品」である。
まさに意識高い系のバイブルと言うにふさわしい内容。
この春、大学デビューを目指す人、新社会人になる人におすすめ。
ただ、問題なのは、自分のようなオッサンの年齢になると、作品鑑賞後の「勘違い」の時間も短くて済むのだが、若い人ほど長引いてしまうのだ!
また「意識高い系」の度合いが高いほど、作品の登場人物と自分を一体的に考えやすく、ひどい場合には日常生活でも「俺は実はラインハルトだ!」と思い込んでしまうに至る。
非常に中毒性の高い作品なので、意識高い系の頂点を目指す人ほど、注意して鑑賞してほしい。