昨日の北海道新聞にて、すでに4年近く不通状態となっていた日高本線の、鵡川ー様似間にてバス転換される方向で協議に入った、とのニュースがありました。
苫小牧から鵡川までは存続されるようですが、この区間は日高本線のほんの一部でした有りません。
実質的に、日高本線廃止、と言えます。
まあ、ついにこの日が来たか、という感じですね。
日高本線は赤字路線の中でも長大の部類でした。
また、先に小規模でも「市」があったり、十勝に抜けてループになっていたりすれば、まだ存続の「理由」もできそうなものですが、なにせ日高本線は非常に長大な「盲腸線」です。
人口で見ても、日高地方の行政的中心町で「支庁」のある浦河町で1万2千人、日高地方で最大の町である静内で2万2千人と、沿線に札幌もしくは苫小牧と連絡を維持しなければならない「都市」がないのも事実。
そして日高本線存続を阻むもう一つの大きな要因として、日高本線が走っている位置が挙げられます。
日高本線はほぼ海岸線に沿って走っています。
そして線路自体が波からの防波堤となっている線区が、長くあるのです。
つまり自治体、国で行う護岸工事のようなものも、線路の維持のためにJR北海道が行っていたといえます。
日高地方は冬季には北海道でも荒天となることが多く、また地震も多い地域です。
この地方の鉄路を維持するのは、上記のような公共工事のようなものも含め、非常に大きな金額が必要となります。
しかし防波堤の意味もあるのなら、自治体や国も負担するべき理由もありそうなものですが。
国鉄の民営化は、大きな難問を残しました。
東京や大阪などの都市部では列車を走らせるだけで利益が出ると思いますが、それら大都市圏以外では、線路は公共施設との違いを薄めています。
つまり地方にとって民営化とは、利益の出ない公共事業も民間企業に請け負わせる、という結果になってしまいます。
ただ、日高地方にも高速道路が伸びていて、鉄路の存在理由が失われているのも事実。
残念ながら、日高本線廃止の方向は変わらないかもしれません。
せめて最後に乗ろうとしても、かなわず。
これまでの「廃線」の中で、最も悲しいお別れになってしまいました。