昨日、札幌駅南口の再開発計画が発表されました。
それによると、まず現在、西1丁目にある広大な駐車場に47階建ての超高層ビルを建設。その後、西2丁目の「そごう」のあった建物を壊して新ビルを建設し、両ビルは回廊でつながる。西1丁目のビル下には都市間バスのバスターミナルが、西2丁目のビル下には市内路線バスのバスターミナルが、それぞれ設置される、とのこと。
これは非常に大きな計画ですね!
札幌駅の南側には、非常に広大な駐車場があります。
なんでこんな1等地がこんな形のままなのか、長年疑問に思っておりました。
この札幌のみならず北海道最後の「超1等地」が、ついに開発される!
この新ビル構想ですが、北海道新幹線の札幌延伸と連動しています。
揉めに揉めた、新幹線・札幌駅の場所をどこにするか、という問題。
当初、JR北海道は「現駅の1番ホームを新幹線用ホームにするから楽勝」と、余裕な感じに考えていた模様。
しかし時の流れとともに時世も変化。
札幌駅の南側にはJRタワーをはじめとした高層で巨大な商業施設が建設されました。このインパクトは大きかった!
どこか「地方駅」の哀愁を漂わせていた札幌駅周辺ですが、一気に開放的でモダンな、札幌を代表する風景となりました。一気に札幌が近代的になったように感じました。
このJRタワーが、1番ホームを新幹線用とした場合にネックとなったのです。
新幹線ホームは他の在来線よりも大きいため、それに合わせて札幌駅も拡張する必要がありますが、1番ホームを広げようとすると、北海道で最も高いJRタワーの1階から3回あたりまでを一部くりぬかなければならないのです。
高く積み上げたジェンガの、基礎部分のパーツを一つとることを想像していただきたい。
結局、JRタワーを改築することは不可能と判断されました。
その後、新幹線駅問題は混迷を極めます。
まず、西側案が出されます。これは桑園駅方面に新幹線ホームを建設するというもの。
確かに桑園方向の南側には道路があるので、新幹線ホームを建設することはできるかもしれませんが、十分なスペースを確保することはできません。
また、9番ホームのある現駅の北側に新ホームを建設する案ですが、こちらも札幌駅北側は広場となっているのですが、在来線の特急車両と異なり長大となる新幹線車両を一度に停車させるほどの広さ、長さは確保できません。
やけっぱちという感じで出されたのが「大通り案」。
これは手稲辺りからトンネルに入り、大通りまで地下を走らせ、大通りの地下駅に接続させる、というもの。
これは文章で読んでもお分かりの通り、非常に多額の費用が掛かりますし、何よりも札幌は実は湧水の多い地にあるため、トンネルにした場合の水処理問題を考慮すると現実的ではありません。(冬季の雪を考えた場合、トンネルのほうがいいのでは?という意見もある)
結局、現駅の東側に新幹線ホームを作る計画が採用されました。
200万人都市の札幌は、札幌駅前から真っすぐ南に向かうと大通り、ススキノとなり、この辺りは非常に栄えています。また、西側方面も栄えているのですが、創成川を挟んだ東側となると、一気に「下町感」が漂います。
特に札幌駅のすぐ創成川を渡った東側はさみしい限りで、なんとアダルトなお店があったりする。
今回の東側への新幹線ホームの設置と、それに付随する南側の高層ビル建設によって、何かと日陰な存在だった札幌駅東側が、一気にモダンな空間に激変する可能性があります。
それに伴い、札幌市を分断していた創成川を越えて、東西の結びつきが強まる可能性もあります。
そしてこれまでわかりにくかった「バスターミナル」の問題も解決されます。
現在、札幌の主要なバスの始終点は札幌駅と大通り東側の札幌バスターミナルに分かれていました。どうやらバス会社によって分けられているようで、どちらにも路線バスと都市間バスが混在し、非常にわかりづらい構造となっていました。
それが札幌駅に集約されるとすれば、札幌駅の「ハブ」としての機能がさらに高まると思われます。
しかし問題もあります。
バスの機能が札幌駅に集約されることで、すでに慢性的な渋滞が起きている札幌駅前の通りが、さらにパンクするのではないか?という点。
また、現市長の提唱する札幌都心部と札幌新道を結ぶ「バイパス計画」がどのように関係するか、も注視されるところ。
いずれにしろ、札幌駅前が30年前にJRタワーやステラプレイス、大丸札幌の完成で経験したインパクトに匹敵する「セカンドインパクト」が、10年後に再現されるかもしれません。
ちなみにJR北海道の社長さんは記者会見で「渋谷スクランブルスクエア」を意識して同じ47階建てにする、と宣言していました。
だめだって、そういうところで東京と張り合っちゃ、だめだって!
勝てっこないんだから!!